
就職差別に関する調査2026が、採用選考における就職差別の実態を明らかにし、履歴書や戸籍謄本提出の要求、不適切な質問などが依然として課題となっていることが判明しました。
調査概要
日本労働組合総連合会(連合)は、採用選考における就職差別の実態を把握するため、2026年4月10日から15日にかけてインターネットリサーチを実施しました。調査は、最近3年以内に就職のための採用試験を受けた全国の15歳~29歳の男女1,000名を対象に行われました。
採用選考における課題
調査の結果、採用選考における様々な課題が浮き彫りになりました。特に、応募者の適性や能力とは関係のない情報の提出を求められるケースが多く見られました。
応募書類・エントリーシートで記入を求められた内容としては、「性別」が74.2%と最も高く、「本籍地や出生地に関すること」(45.6%)、「家族に関すること」(38.6%)などが続きました。また、戸籍謄(抄)本の提出を求められた経験がある人は39.1%にのぼり、前回調査から8.3ポイント上昇しました。内定前に健康診断書の提出や健康診断の受診を求められた経験がある人も42.1%いました。
応募用紙に関しても、最終学歴が中学校の人では51.4%、最終学歴が高等学校の人では47.2%が、定められた統一用紙ではない応募用紙の提出を求められたと回答しました。
面接における不適切質問の実態
採用試験の面接においても、応募者の適性や能力と関係のない質問が多く行われている実態が明らかになりました。面接で質問されたことがある内容としては、「転勤ができるかどうか」(41.7%)、「残業や休日出勤ができるかどうか」(39.2%)、「家族に関すること」(36.9%)などが上位を占めました。さらに、「結婚後や出産後の継続就労希望の有無」や「結婚の予定」、「性的指向の確認」、「性自認への違和感の有無」といったプライベートな質問も少なくない割合で聞かれていました。
面接官が聞いてはいけない質問だと思う内容としては、「宗教に関すること」(48.4%)、「支持政党に関すること」(45.7%)、「思想に関すること」(38.2%)が上位となり、多くの人が応募者の思想に関わる質問は不適切だと考えていることが示されました。実際に、面接で不適切だと思う質問や発言をされた経験がある人は18.0%いました。
学歴フィルター、SNS調査の広がり
就職活動において「学歴フィルター」を感じたことがある人は44.3%にのぼり、特に最終学歴が中学校や高等学校の人でその傾向が強まっています。また、「男女差別」を感じたことがある人も36.0%おり、特に最終学歴が中学校の人では67.6%と高い割合を示しました。
近年では、企業がSNSアカウントを調査する「SNS裏アカ調査」も増加しており、採用選考過程でSNSアカウントを調査する旨の通知を受け取ったことがある人は20.8%、実際に調査されたことがある人は21.8%と、前回調査から大幅に上昇しています。
AI面接への印象
AI(人工知能)を活用した「AI面接」を受けたことがある人は20.6%でした。AI面接に対する印象については、「よい印象」が29.4%、「よくない印象」が27.1%と、賛否が分かれる結果となりました。公平な評価につながるかという問いに対しては、「つながると思う」が39.5%でした。
まとめ
今回の調査により、採用選考における就職差別の実態が改めて浮き彫りになりました。履歴書や戸籍謄本提出の要求、不適切な質問、学歴フィルター、SNS調査など、応募者の人権を尊重し、適性や能力に基づいた公正な選考が行われるための改善が引き続き求められます。
関連リンク
https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/basic/discrimination/research/2026_shushoku_diff.pdf