損害保険ジャパン株式会社(以下「損保ジャパン」)は、一般社団法人日本野球機構(以下「NPB」)とNPBパートナー契約を締結。2026年レギュラーシーズンより、セ・パ両リーグの救援投手を表彰する新賞「損保ジャパン HIKESHI賞(以下、HIKESHI賞)」を設立した。
これを記念し、2026年3月25日(水)、損保ジャパン新宿本社ビルにてPR発表会を開催。ステージには球界を代表する救援投手として活躍した五十嵐亮太氏、そして芸能界屈指の野球ファンである磯山さやか氏が登壇し、過酷なマウンドに立つ守護神たちの心構えと、新賞設立への熱い期待が語られた。
「火消し」の精神を現代へ。130年受け継がれる守り抜くDNA
発表会の冒頭、登壇した損保ジャパン代表取締役社長の石川耕治氏は、新賞設立の背景にある同社のルーツを紐解いた。
同社の歴史は1888年、日本初の火災保険会社「東京火災」として始動。明治時代、大火が多発する東京において、保険会社でありながら警視庁認可の私設消防団「東京火災消防組」を結成し、自ら地域の火を消し止めてきた歴史を持つ。
「火災を未然に防ぎ、万一の時にはいち早く駆けつける。この姿勢こそが我々の『火消し』のDNAであり、ルーツである」と石川氏。かつて1981年から22年間にわたり救援投手を表彰してきた「ファイアマン賞」を現代版にアップデートしたのが、今回の「HIKESHI賞」だ。
救援投手は、絶体絶命のピンチでマウンドに上がり、その一球で球場全体に安心をもたらす。「火の車のようなピンチで投手が背負う心理的重圧、そして無失点で切り抜けた際の『安心感』の価値を可視化し、称えたい」。伝統の町火消しを象徴する「纏(まとい)」をあしらったロゴデザインに、その想いを込めたという。
独自の計算式で「危機の大きさ」を数値化。全救援投手にスポットライトを
続いて、NPB事務局長の中村勝彦氏とセントラル・リーグ部長の杵渕和秀氏により、本賞の核となる独自指標の解説が行われた。
中村氏は救援投手を「勝敗を分けるピンチの場面で仕事をする、究極のプロフェッショナル」と定義。これまでのセーブやホールドといった数字だけでは語り尽くせなかった貢献に、光を当てる意義を強調した。
具体的な選出基準は、データスタジアム株式会社の協力を得て考案された「HIKESHIポイント」に基づく。
計算式は「(A)-(B)-(C)」。
(A)は、前任投手が残した走者状況に応じて重みづけされた「獲得アウト価値」。満塁で抑えればそれだけ大きな加点となる。
一方で、(B)自身が出した走者数、(C)登板中に許した得点はマイナス要素としてカウント。
杵渕氏は「走者がいれば大きな加点、イニング先頭からの登板でも着実な加点となる算出方法。セットアッパーからクローザーまで、全ての救援投手にスポットライトが当たる機会になる」と説明。シーズンを通じて累計ポイントが最も高かった投手が、セ・パ各1名ずつ選出される。
ピンチをチャンスに変える「事前の備え」。五十嵐亮太氏が語る極意
後半のトークセッションでは、日米で「火消し役」として数々の修羅場を潜り抜けてきた五十嵐亮太氏と、磯山さやか氏が登場。
現役時代のピンチの場面を振り返り、五十嵐氏は「2014年、ソフトバンク時代の阪神戦。1死満塁の場面で千賀(滉大)投手からマウンドを引き継いだ。2者連続三振で抑えたあの瞬間の盛り上がりとやり甲斐は、今でも鮮烈に覚えている」と回想。
マウンドでの冷静さを支えた秘訣として、フリップに掲げた言葉は「事前の備え」。
「救援投手は上がった瞬間に最大出力を出さなければならない。日頃の練習、試合展開の予想、相手の対策。徹底的な準備こそが、マウンドでの余裕を生む」。
これに対し、磯山氏も自身の生活で意識している「もしもの意識」を挙げ、「投手の皆さんがどれほどの備えをしてマウンドに立っているかを知り、改めてその頼もしさを実感した。ファンとしても応援に力が入る」と共感を示した。
石川社長は「準備でピンチを安心に変える考え方は、我々保険会社の使命そのもの。救援投手と損保ジャパンのミッションは深く重なっている」と、野球と保険の共通点を再確認した。
プロ野球の新たな楽しみ方を創出。日本の活性化へ繋がる賞へ
発表会の締めくくりには、石川社長からゲストの二人に、伝統ある町火消しを象徴する「法被(はっぴ)」が手渡された。全員が法被を羽織り、フォトセッションに臨む姿は、まさに現代の「火消し」そのもの。
「HIKESHI賞」は、同社の「HIKESHI DNA 2030 Project」の一環として、シーズン終了後の11月頃に表彰が予定されている。「過酷な場面でチームを救う救援投手たちへの賞賛となり、プロ野球という素晴らしい文化をさらに盛り上げる一助となってほしい」。石川社長の言葉通り、絶体絶命のピンチを安心に変える挑戦。その背中に、今シーズンからかつてないほど惜しみない賞賛が送られることになるだろう。
