東京・青山でイベントスペースを運営する株式会社リンワンが10月20日、新たなコンセプトの新施設・表参道「Rand」を表参道にオープン。また同時に青山のイベントスペースもリニューアルされ、青山「Rand」として生まれ変わった。
表参道、それは最先端のトレンドを発信するファッションタウン。だがその様相は、昨今様変わりしている。相次ぐ老舗店舗の撤退や慢性化する空き店舗問題が、かつて輝いていたはずの表参道に暗い影を落としているのだ。しかし、そんな重い課題を抱える一方で、これまでとは異なったムーブメントが表参道で動き始めている。ニュークリエイターやインフルエンサーによるフランクで短期的な出店や複数ブランドの合同出店がそれだ。
わかりやすくいえば、高額なテナント料を自社で工面して長期的な展開を行うリスクを避け、ポップアップストアのような感覚での期間限定での出店が増えているということ。また、そのムーブメントの追い風となっている外国人インフルエンサーの存在も見逃せない。彼らにとっての表参道は“憧れの場所”であり、老舗が抜け始めた表参道は、今や外国人インフルエンサーの集合地点ともなりつつある。
このムーブメントは出店期間が短い上に、出店する理由が従来と異なるのが特徴といえる。それは彼らにとって売上が主たる目的ではなく、ファンや来場者とのコミュニケーションに一番の重きを置いている点だ。そして、その場を提供すべく始動したのが「Rand」である。
「Rand」では出展者であるブランドやクリエイターが自由に表現するイベントエリアと、来場者の憩いの場であるカフェスペースが共存しており、互いに垣根なく自由につながることができる場として機能する。結果、出展者はカフェでくつろぐ来場者からの反応が直接吸収でき、逆に来場者はイベントスペースでの活動に影響を受け、将来的に自分自身が表現する立場になるヴィジョンを見出す可能性もある。
このムーブメントを盛り上げるために、「Rand」は以下のようなサポートを行うという。
■発信者の自由な表現を可能にするシンプルかつ上質なスペースを提供
■越境ビジネスのサポート
■星付きレストラン出身のシェフがプロデュースする本格的メニューを販売
シンプルなスペースはクリエイターのジャンルや性別を問わず、使いやすそう。右奥はカフェカウンター。
これまでの「イベントスペース=場所貸し」のイメージを覆すコンセプトで立ち上がった「Rand」。この場所を足がかりに、どれだけ多くのクリエイターが大きく羽ばたくか楽しみにしたい。
星付きレストランで実績を積んだシェフ中村聡司氏(右)と、素材本来の旨みを生かすことを得意とするパティシエのYing Xue(セツエイ)氏(左)が表参道、青山の両店のメニューを監修。中央はRandを運営する株式会社リンワンの代表取締役 崔萌芽氏。
表参道「Rand」
住所/東京都渋谷区神宮前4-24-3
併設/Cattleya Cafe
rand-space.com/pages/jingumae
青山「Rand」
住所:東京都港区北青山3-15-5
併設:Juniper cafe restaurant
rand-space.com/pages/aoyama