2026年6月10日。創業60周年を迎える松屋フーズが、中食市場への本格展開として百貨店初となる常設店舗「松屋 PREMIUM」をオープンした。
出店先は、同じ「松屋」の社名を持つご縁からプロジェクトがスタートした「松屋銀座」。“高級感と親しみやすさ”をテーマに、厳選素材を用いたワンランク上の限定商品を提供する新業態だ。待望のオープン初日に開催されたメディア取材会から、新店舗の全貌を紐解いていく。
記録的大反響を呼んだ昨年の催事。高まる弁当需要と顧客満足度の向上を狙う
松屋銀座 食品部 食品一課 MD担当バイヤーの山下寿徳氏は、松屋 PREMIUM常設店に至る経緯と狙いを語った。
「2019年から構想を練っていた両社のコラボレーション。コロナ禍での断念を経て、2025年4月に松屋銀座開店100周年のイベントとして1週間の期間限定出店を果たした。その際、単店の売上として催事における過去最高を記録。「もう一度食べたい」というお客様からの声も数多く寄せられ、今回の常設店オープンへと繋がった」という。
常設店オープンの狙いについて、山下氏は以下の3点を挙げた。
「1つ目は、商品ラインナップの充実です。昨今、コンビニエンスストア等での商品価格が上昇していることもあり、百貨店の弁当・惣菜が選ばれるケースが増加し、売上も好調に推移しています。そこにさらなる勢いをつけていただくべく出店をお願いしました。2つ目は話題性と商品力による新規客の獲得、そして3つ目が既存のお客様の満足度向上です。今までにないブランドの初出店により、お客様にさらなる満足を提供していきたいと考えております」
“安さとスピード”から一歩その先へ。接客・空間・パッケージまで貫かれたこだわり
続いて、松屋フーズ 事業推進部 中食・外販企画グループ 松屋 PREMIUM店長の佐々木玄氏と、チーフスタッフの木下萌氏が登壇。新業態にかける思いや開発の裏側を明かした。
佐々木氏は「昨年の催事で過去最高の売上を記録し、全社としてかなり期待を高めての常設出店に至った」と語る一方、これまでの「松屋」との違いによる苦労を滲ませた。
「松屋の牛めしといえば、安さや提供のスピードをご支持いただいております。しかし、百貨店をご利用されるお客様に価格以上の満足感を与えるためには、どういったクオリティのものを、どのような状態でお出しできるのか。これをアルバイトも含めたすべてのスタッフが再現できるよう、商品開発や接客の研修に大変苦心してまいりました」(佐々木氏)
提供するメニューは、通常店舗の商品をブラッシュアップした“上位互換”。お米一つをとっても、弁当に相性が良く冷めても食感が変わらない宮城県産の「ひとめぼれ」を全メニューに採用するなど、素材選びから徹底している。
また、木下氏は空間やパッケージへのこだわりを強調する。
「店舗は高級感を意識し、黒背景に金色のロゴをあしらい、通常の店舗にはない木目調の作りで立体感を演出しました。容器や掛け帯となるスリーブのデザインにもこだわり、ご購入いただいたお客様には松屋銀座様のコーポレートカラーと本ブランドのロゴ色を合わせた専用のお持ち帰り袋でお渡しします」(木下氏)
百貨店にふさわしい接客を実現するため、座学による商品知識の深掘りや、丁寧な言葉遣いを学ぶ専門の接遇研修を実施。スタッフの制服も、ブラウンのベストセットアップでスマートな品格を漂わせるデザインを採用した。松屋フーズの「一歩その先へ」向かう姿勢が、細部にまで宿っている。
厳選食材を贅沢に使用! ここでしか味わえない珠玉の限定メニュー
店頭に並ぶのは、和牛や神戸牛などの厳選食材を使用し、百貨店ならではのクオリティに仕上げた「松屋 PREMIUM」限定商品。
(手前左端)
神戸牛牛めし
販売価格/1,390円(税込)
神戸牛を使用した松屋銀座限定オリジナル牛めし。神戸牛を美味しく味わえるよう、独自の調理方法で焼き上げることで甘みと旨みを引き出した。松屋オリジナルの牛めしタレをブレンドし、国産の玉ねぎや付合せの紅生姜を使用したこだわりの逸品。
(手前左から2番目)
肉倍量神戸牛牛めし
販売価格/2,080円(税込)
「神戸牛牛めし」の肉を倍量にした、贅沢にお肉をたっぷりと味わえるボリューム満点の一品。
(手前左から3番目)
国産黒毛和牛のうまトマハンバーグ
販売価格/1,681円(税込)
国産黒毛和牛を使用したハンバーグに、黄身の濃さが特徴の「マキシマムこいたまご」の半熟玉子をトッピング。冷めても柔らかさが残るよう独自にブレンドされたハンバーグに、トマトの旨味を引き立たせたオリジナルテイストのうまトマソースが絶妙にマッチする。
(手前右端)
雪国育ちの濃厚トンテキ
販売価格/1,681円(税込)
甘味たっぷりの脂と柔らかな肉質が特徴の国産豚「雪国育ち」を150g使用。松屋オリジナルの濃厚なトンテキダレに、フライドガーリックの香ばしさがアクセントとなり、ご飯が進むボリューミーな一品。
(奥左端)
創業ビーフ Rich カレー
販売価格/1,050円(税込)
牛肉をふんだんに使用した、松屋銀座限定の創業ビーフ Rich カレー。たっぷりのボイルドビーフをじっくり煮込み、コクと甘みを深めることで旨みと食べ応えを感じる仕上がりに。
(奥中央)
創業ビーフ Rich カレー×神戸牛
販売価格/1,681円(税込)
深みのある創業ビーフカレーに、焼き上げて甘みと旨みを引き出した神戸牛を合わせた贅沢な「カレギュウ」。特別感のある味わいが楽しめる。
(奥右端)
創業ビーフ Rich カレー×黒毛和牛ハンバーグ
販売価格/1,681円(税込)
コク深い創業ビーフカレーに、やわらかな黒毛和牛ハンバーグを合わせた一品。松屋伝統の「ハンバーグカレー」を贅沢に仕立てている。
今後は季節に合わせた新メニューの開発や、おかずのみのお惣菜販売も検討しているという。「松屋」と「松屋銀座」がタッグを組んで生み出した、新しい中食の形。その注目度の高さは本物だった。11時のオープン直後には、百貨店クオリティの“特別な松屋”の味を求めて、多くのお客さんが長蛇の列をなした。
お目当ての弁当を手にする瞬間を心待ちにしながら行列に並ぶ人々の姿が、本プロジェクトの確かな成功と、これからの展開への大きな期待を物語っている。
