South65

ニコンメガネ レンズメーカー直営店で作る“見え心地”のよい眼鏡
【第一回】「眼鏡の主役はレンズ」

メガネレンズメーカー「ニコン・エシロール」直営の眼鏡店「ニコンメガネ」が今年7月、東京・南青山に移転。コロナ禍における感染対策を考慮し、最新の検査・測定機器によるリモート視力検査を実現した新しい形の眼鏡店として生まれ変わった。ここでは視力検査から眼鏡の製作、そして実際に完成した眼鏡のシチュエーション別かけ心地のリポートを大きく4つに分けてお届けしよう。

有名ブランドのショップが建ち並ぶ表参道。ニコンメガネは、その一画に建つオシャレなビルの2階に移転した。

表参道駅から歩いて2分、青山通りから少し奥に入った場所に移転したニコンメガネ。想像していたよりも店内はかなり広く、ゆったりとした印象だ(写真一番上参照)。通常の眼鏡店は、いたるところにフレームが展示され、その一画に視力検査ブースがあるイメージだが、ニコンメガネはその逆。入り口から入ってすぐ右の一画がフレームコーナーで、そのほかのほとんどのスペースが検査・体験コーナーに割り当てられている。

というのも、ニコンメガネのモットーが “「見え心地」をつくる眼鏡店” だから。素人考えでは、まずフレームを選んで次に視力検査、あとは椅子に座って出来上がりを待つだけというのが眼鏡をつくる際の流れ。実際、多くの眼鏡店がそんな流れだし、お客さんもそれに対して何の疑問も持っていない。しかし、何のために眼鏡を作りにいくのか? そう、裸眼では見えにくいからだ。つまり、眼鏡の主役はレンズなのである。人によって異なる、最適な見え心地のためのレンズを選定するために、ニコンメガネでは検査・体験コーナーに重点を置いているわけだ。

ニコンメガネで使用される検査機器の一部。このほかにも正確な度数を割り出すために必要なものがたくさんある。

入り口から入って店内右側にあるフレームコーナー。検査・体験コーナーと比べると小スペースだが、それでもかなりの点数が並んでいる。

移転というニュースがあったとはいえ、数ある眼鏡店の中から「ニコンメガネ」を今回なぜ大きく取り上げることにしたのか。それは「ニコンメガネ」が、ニコン(Nikon)ブランドのレンズを取り扱う最新の測定器を取り揃えたメーカー直営の基幹店だからだ。50歳前後から増えるというイメージがある老眼だが、実は若い頃から異常に目を酷使する雑誌編集という職業に就く我々編集者は、40歳を迎える前に老眼になる者が多い。とくに雑誌の中でも細かい情報を扱う専門誌を制作する編集者に顕著なようだ。渓流釣り専門誌や旅行雑誌の編集者が多い私のまわりでは「39歳で老眼にならないヤツは、ちゃんと仕事をしていない」という説がまかり通っているほど。私もご多分に漏れず30代後半にめでたく老眼になり、50歳を超えた今では手元がまったく見えなくなってしまった。そんな背景もあって、ニコンメガネを選んだわけだ。(次ページへ続く)

眼鏡を作るなら、光ストレス対策を万全にすべき

実際に店舗へ赴き、まずは日頃どんな不便さを感じているかのヒアリングからスタート。ちなみに私が挙げた状況や不便さは次の通り。

・一日10時間は画面を見ている
・参考資料の文字が読めない
・撮影の際、モニターがよく見えないからピントが合っているかわからない
・スマホに届いたメールの文字が読めない
・もともと近視と乱視もあるので、手元重視の眼鏡にすると車の運転ができない
・同じ理由でテレビのテロップが見えない

こんな感じで項目を挙げた。すると、今回私の担当をしてくれることになった店長の佐藤さんから「これから詳しく検査していきますが、ここまで見えないのであれば遠近両用だけでなく、中近両用も同時に作ったほうがいいかもしれませんね」という提案が。さらに「年齢的に見え方だけでなく、光ストレス対策をしっかりしなければいけません」と釘を刺された。

光ストレス対策  。この聴き慣れないワードが、シニア世代の目の健康を大きく左右するのだという。加齢が原因で光がまぶしく感じられるようになってきた我々シニア世代にとって、「紫外線、ブルーライト、まぶしさ」の3要素からなる光ストレスは、まさに天敵。日中の太陽光が主な光源の紫外線は、角膜や水晶体への影響から白内障になる可能性があるし、紫外線より目の奥まで届くブルーライトは網膜への影響が報告されているという。とくに白内障は60代以上の発症者がほとんどだが、その原因は若い頃からのダメージの蓄積だと考えられており、できるだけ若いうちからの予防のための対策が大切なのだ。

〈参考〉光ストレスが目に与える影響

※ただし、⾃然光に含まれるブルーライトは⽇中の活動を⾼める効果など有益な働きもあるため、⽇中、適量の太陽光を上⼿く取り⼊れながら光ストレス対策を⾏うことも⼤切。

では、どのようにすれば光ストレスを対策できるのか? その答えが「光ストレス対策レンズ」を使った眼鏡の使用だ。その中でも「調光レンズ」がオススメだという。調光レンズとは⽬にダメージを与えるブルーライト、紫外線をカットし、光(紫外線)に反応して色が変わるメガネレンズのこと。屋内では通常の眼鏡として、屋外ではサングラスとして使⽤できる優れものだ。

レンズメーカーであるニコン・エシロール直営のニコンメガネでは、同社が扱う調光レンズシリーズ「トランジションズ」を使用し、光ストレス対策眼鏡を製作している。もし自分は視力が良いから眼鏡とは縁がないと思っているとしたら、トランジションズの度なしレンズを使った伊達メガネを作ることをオススメしたい。屋内ではパソコン画面やスマホからのブルーライトから目を守ってくれるし、屋外では紫外線をカットするサングラスとして機能するからだ。

トランジションズのTVCM。色の変わり具合がわかりやすい。

自分にとって、どんなメガネレンズが必要なのかを理解したら、次は目の検査。ニコンレンズではソーシャルディスタンスに配慮しながら、日本では数少ない検査機器を駆使して検査が行われる。詳しくは次回お伝えしよう。

第二回「最新の検査・測定機器を駆使したリモート視力検査」はこちら

ニコンメガネ
nikon-lenswear.jp/shop/nikonmegane/

ニコン・エシロール
nikon-essilor.co.jp/
モバイルバージョンを終了