
<東京で世界を食べ歩き>銀座で食すモダンインディアンキュイジーヌ「SPICE LAB TOKYO」
銀座の一角にあるビルの1フロアを占める「SPICE LAB TOKYO」。エレベーターの扉が開くと、いきなり目の前に洗練された空間が広がる。日本の食材を用いて一皿一皿にインドを象徴するテーマを紐づけた料理を供するという世界でもまだ例のないスタイルのモダンインディアンキュイジーヌを提供するこの店では、席からシェフたちが動き回る姿を眺めることができる。イギリス、ギリシャ、アラブ諸国など様々な国から流れ込んだ食文化を、伝統のインドの調理法と融合させ長い期間をかけてインドのものにすることで誕生したモダンインディアンキュイジーヌ。しかも、日本の食材を取り入れたモダンインディアンキュイジーヌの店はおそらく世界初だろう。
絶妙なスパイス使いは、日本でいう薬膳のような、スパイスが前面に出すぎることなく繊細な味わいをしているという印象。素材の持ち味を殺さずにスパイスを効かせた料理は、ワインとも合う。ソムリエおすすめのワインを口にすると、スパイスとぶつかることがなく美味い。これこそ、素敵なマリアージュだ。
自動車部品製造や不動産などのビジネスを展開する中で世界中を駆け巡り日本にも度々来日するうちに「スパイスの効いたカレーだけが、インド料理じゃない。本当のインド料理はもっと繊細なものだ」と強く感じたオーナーのプリヤ & スナンダン・カプール夫妻。どうしても日本に本当のインド料理を広めたいと、自分で店を開くことにしたらしい。

彼らがインドから招聘したのは、インドのラグジュアリーホテル「The Oberoi」「AMAN」で副総理長を務め、コペンハーゲンの「noma」で修行経験のあるテジャス・ソヴァニ総料理長。ソヴァニ総料理長は、若いシェフならではの柔軟な感性とスパイスを自在に活かす確かな技術を持つシェフだ。

日本の食材を使う時は、日本人の副総料理長にアドバイスを求める。日本の食材に精通する副総料理長からヒントを得ることで、とてもいいアイデアが浮かぶという。
メニューを見ただけでは、どんな料理か想像するのは容易ではないだろう。流暢な日本語で丁寧に説明をしてくれるインターナショナルなサービススタッフの話を聞きながら、メニューの内容が紐解かれていくのも面白い。知らなかった世界をひとつひとつ解き明かしていくプロセスは、エキサイティングに近い体験だ。一度では全てを知り尽くせていないようで、また訪れてみたい気持ちにさせられる。
「SPICE LAB TOKYO」秋のメニュー
「SPICE LAB TOKYO」秋のメニューは、 “インドの多様性を表現するテーマ”を一皿ごとに冠した料理で「今のインド」を表現したガストロノミックなコースディナー3種(うちベジタリアン1種)、短時間でのランチタイムや会食に対応できるようにディナーコースから皿数を減らして提供するコースランチ5種(うちベジタリアン2種)から選ぶことができる。最大10テーマのディナーコース「インチャンティング スパイス」から、4テーマのランチコース「スパイス アロマ」まで選択肢がある。
インチャンティング スパイス *一部メニューを紹介

●テーマ:寺院/料理名 :Offering(捧げもの)
ゴマ豆腐 ほうれん草 トマト 菊花
寺院を訪れる時、人々は捧げる供物を手にする。祝福を求めて心をこめて捧げる捧げ物、コースはこの一皿から始まる。菊花で可愛らしい姿に飾られたゴマ豆腐をつまんでみる。

●テーマ:旬/料理名:Autumn(秋)
鶏のスープ アーモンド ラヴェンダー
アーモンドとラヴェンダーの香りが薫ってくる、優しい味わいの上品なスープ。エディブルフラワーやハーブティーなどはよくあるが、スープもアリだなと感心。自家製ラヴェンダーオイルとスパイスの調和の素晴らしさに、この後に登場するメニューへの期待感が高まる。

●テーマ:現代 /料理名:Modern(最先端)
仔羊 フォアグラ パイ包み ドピアザ
最大10テーマのディナーコース「インチャンティング スパイス」のみに含まれる。インド料理では使わないフォアグラを、チリやフェンネル、コリアンダーなどで風味をつけた仔羊で巻き、パイに包んで焼き上げた一品。玉ねぎを大量に使って作るドピアザとよばれるルーに仔羊のジュとトマト、ミントやドライフェネグリークリーフなど清涼感のあるスパイスを加えて仕上げたソースも美味い。

●テーマ:家庭/料理名:Purity(透明)
松茸 銀杏 椎茸チャイ
ほのかに薫る松茸の香りと柔らかい銀杏、椎茸と日本の食材を取り入れたスープ。透明感のあるスープもスパイスを使っており、敏感な人はすぐに発汗する。

●テーマ:王族 / 料理名:Emperor(皇帝)
鮑 大根 青とうがらしとにんにく、アジョワンのバターソース
鮑、大根といった日本の食材と、幾重にも重なるスパイスの風味との調和に驚かされる一皿。カレーリーフやアジョワン、コリアンダーシードといったスパイスと共に低温調理した鮑は、柔らかいがしっかりとした食感。

●テーマ:農村 / 料理名:Tradition (伝統)
トロトロに煮込んだ牛テールのビリヤニ
細長く、繊細で優れた香りが沸き立つバスマティライスとメイスリーフやカルダモンなどのスパイス、牛テールの煮込み、九条ネギを合わせてトロトロに煮込んだビリヤニ 。ビーフンのような食感のビリヤニは、牛の旨味が美味くそれだけでも食が進んでしまう。スモークしたケツルアズキの煮込み、ガーリックヨーグルト、カリーの3種のソースとともにいただくのだが、このソースがまた美味い。気がつくと、クルチャまで全部平らげてしまっている。
「THE GREY ROOM 」アフタヌーンティー

「SPICE LAB TOKYO」の上階にある「THE GREY ROOM」は、地上30mの銀座の景色をテラス席から眺められる隠れ家的なバーラウンジ。「THE GREY ROOM」では、「SPICE LAB TOKYO」ならではのインドテイストのスイーツやセイボリーが斬新なアフタヌーンティーを愉しめる。インドといえば紅茶が有名だが、コーヒーの生産量は世界で8番目で、その歴史も紅茶より長いという。南インドでは、紅茶よりもコーヒーが好まれているそうだ。カクテルもスパイスやインド産の茶葉やコーヒーなどインドの色彩豊かなフレーバーをグローバルなテクニックと掛け合わせたカスタムメイドのカクテルを楽しめる。
THE GREY ROOM アフタヌーンティー 概要 |
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提供期間/2020年10月13日(火)~ 11月末まで 提供価格/1名 5,200円 シャンパン1杯付 1名 6,800円 ※上記価格はサービス料10%込・税別 メニュー/ <1 段目> ゲヴァル(フェスティバルでよく食されるシロップ漬けのケーキ)をメインにして ゲヴァルを練乳ソースのラブリと共に サツマイモとオレンジ、紫芋のバルフィ サフラン香るインド風ライスプディング”フィルニ” ひよこ豆粉のラドゥー 季節のフルーツ <2 段目> スコーン ほおずきジャム・クロテッドクリーム・りんごはちみつを添えて レモンタルト ココナッツサブレのプチ・モンブラン クラシックショコラ イチジクとナッツと共に ボンボンショコラ(山椒・生姜) <3 段目> ムング豆の煮込み”ダル・モラダバディ” トマトとバジルのインド風パン”クルチャ” 仔羊と5種のスパイスのサモサ 大葉の天ぷら、ヨーグルトソースの”チャート” バターチキンを包んだ”バオ” ひよこ豆粉のパンケーキ”ドクラ” ※インド産の紅茶をブレンドしたブレンドティー2種とハーブティー、チャイを揃えたインディアン ティーセレクションと、インド産のアラビカコーヒーをローストの深さ別に3種取り揃えたインディアンコーヒーセレクションから、お好みのドリンクを自由に選択可。 |




SPICE LAB TOKYO & THE GREY ROOM 東京都中央区銀座6-4-3 GICROS GINZA GEMS 10F SPICE LAB TOKYO Tel.03-6274-6821 11F THE GREY ROOM Tel.03-6274-6023 営業時間/ SPICE LAB TOKYO Lunch 11:30~15:00(L.O 14:00)、Dinner 18:00~22:30(L.O 21:00) THE GREY ROOM Afternoon Tea 14:00~18:00(L.O 16:00)、Bar 18:00~24:00(L.O 23:30) ※両店舗ともに年中無休 オフィシャルサイト&SNS SPICE LAB TOKYO www.spicelabtokyo.com/ https://www.facebook.com/SPICELABTOKYO/ https://www.instagram.com/spice_lab_tokyo/ THE GREY ROOM www.thegreyroomtokyo.com https://www.facebook.com/THEGREYROOMTOKYO/ https://www.instagram.com/the_grey_room_tokyo/ |
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