<動画有>ザ・リッツ・カールトン東京 一夜限りのゲストバーテンディングイベント第6弾は、「Bar TRENCH」チーフバーテンダーのロジェリオ五十嵐ヴァズ氏が登場
2016年から「アジアのベストバー50」に7年連続でランクインし、「世界のベストバー100」に5年連続で選出されている恵比寿の「Bar TRENCH」でチーフバーテンダーを務めるロジェリオ五十嵐ヴァズ氏をゲストに迎えた1夜限りのゲストバーテンディングイベント『バーテンダー テイクオーバー 第6弾』が3月23日、ザ・リッツ・カールトン東京 45階のザ・バーで開催された。
今回は“春の訪れ”をテーマに、プレミアムクラフトジン『モンキー 47』の47種類のボタニカルが醸し出す豊かな香りと味わいを生かした4種類のスペシャルカクテルを披露。これらのカクテルは、4月15日までザ・バーにて開催される「スプリング カクテル コレクション」でも提供される。
株式会社スモールアックスの取締役であり、Bar TRENCHの共同経営者、チーフバーテンダーを務めるロジェリオ五十嵐ヴァズ氏。ブラジルの日系3世で、サンパウロ生まれ。20代で来日し、25年間日本在住。
【バーテンダー テイクオーバー 】提供カクテル
Sakura Reviver
ベースのモンキー47に、桜のリキュール、ホワイト・ベルモット、レモンジュース、アブサンが用いられている。
葉桜や夜桜を思わせてくれるような香りがするが、これはアブサンによるグリーンなニュアンスと、レモンによるキュッと締まった印象からくるものだと思われる。香りの奥には、ほんのりとバラを思わせる香りがあり、桜がバラ科の植物でもあることがふと思い出される。温度(提供からの経過時間)によって、アブサンの風味の効き方が異なり、徐々に葉のような印象が強くなる。夜に映える桜のつぼみが、徐々に暖かくなり花開き、葉桜になっていくような、桜の様相を感じさせてくれるカクテルだ。
Horchatta Swizzle
ベースのモンキー47に、ライム、ジャスミン米とスパイスを寝かせてつくったオルチャータのコーディアルを、クラッシュアイスを用いて提供。
ジャスミン米を使っているからだろうか、一番初めに思い浮かんだのは、スペイン語圏ではなく、サイゴン(ホーチミン市)の春である。ミントの清涼感と葉のイメージ、多湿な環境をどことなく感じさせるスパイス感、ココナッツミルクにジャスミンライスのとぎ汁のようなテクスチャーがコクを感じさせてくれる厚みに寄与している。葉のニュアンスと清涼感、苦味や辛さというスパイスの要素が多層的に香り、大地の芽吹きをイメージさせてくれる。スパイス感も相まって、刺激的な香りが活力を生み出してくれる、気分が前向きになるカクテルだ。
Sloe Paloma
モンキー47 スロー・ジンとテキーラブランコを用い、グレープフルーツ、ライム、ラズベリーにトニックを用いる。
テキーラの香ばしさとスロー・ジンの少しアーシー(土っぽい)ニュアンスが印象的で、そこに非常に糖度の高いトマトにも似たピンクグレープフルーツをギュッと絞ったような香りがある。ソフトな口当たりだが、テキーラの香ばしさとナッツのようなスロー・ジンの深みが厚みのある飲みごたえを演出している。余韻近くにジン由来のボタニカルが香る。ロング系のカクテルだが、親しみやすくしっかりとボディがあり食欲が刺激される。
Eddie Brown
1930年編纂のサボイカクテルブックに掲載された古典的なカクテルで、もっと評価をされても良いという思いから今回選ばれた。ベースのモンキー47に、キナ・ラエロ・ドール、アプリコット、オレンジマンダリンビターズが用いられている。
クラシックさを感じさせてくれるカクテルで、シンプルながら使っている素材によって真価が分かれるような印象を受ける。ベースのモンキー47ならではのクリアで軽さにも似たドライな味わいの上に、アプリコットとビターズが乗ってくる。キナ・ラエロ・ドールの影響なのか、口当たりもまろやかで濃厚さを感じさせながらも繊細さとシンプルさがある。マティーニのようなシンプルさがありながら、柑橘とストーンフルーツの香りが豊かなカクテルだ。
解説/業界誌『週刊ホテルレストラン』小川大輔氏。
<業界誌『週刊ホテルレストラン』小川大輔氏による総評>
ロジェリオ五十嵐ヴァズ氏のカクテルは、画家が多彩な色で絵画を表現するように、香りが多彩で重厚的なのが印象的であった。特にバーブ系の香りが豊かで、飲むと刺激的で気持ちも前向きになるように感じられた。春の訪れとともに、前に進むのを後押ししてくれるような気持になるカクテルは、様々な国や春の情景を想起させてくれた。4種カクテルの構成も、軽いものから飲みごたえのあるものまで飲み手への心遣いを感じられた。モンキー47の持つクリア感と芳醇なボタニカルの香りをひとつひとつ丁寧に読み解き、そこにビターズやハーバルなニュアンスを加えつつ、それぞれのカクテルでジンの違った一面を引き出しているのは、さすが世界のベストバーで長年ノミネートされているだけのことはあると感じさせてくれた。香りの絵画を楽しむ、そんな作品であった。
業界誌『週刊ホテルレストラン』の記者であり、お酒の専門家でもある小川大輔氏。
次回のバーテンダーテイクオーバー開催予定 日時/2023年4月20日(木曜日) 18:00~22:00 価格/各3,000円(税金、サービス料込) ゲストバーテンダー/SHADOW BAR(青森県八戸市)岡沼弘泰氏 ※夜の演奏時間帯での利用は、エンターテイメントチャージとして2,500円(税込)加算。 ※営業時間は予告なく変更となる場合あり。 ※ザ・バーでは席の予約は不可。 |
ザ・リッツ・カールトン東京 東京都港区赤坂9丁目7−1 東京ミッドタウン TEL.03-3423-8000 https://www.ritzcarlton.com/jp/hotels/japan/tokyo |