フェンダー　エレクトリックギター＆ベース用の純正リプレイスメントネックを販売開始

エレキギターやベースを弾いている中で、避けて通れないのがネックにまつわるトラブル。とくにギタリスト＆ベーシストを悩ますのが、弾けば弾くほど進行していくフレットの摩耗だ。すべてのフレットが均一に減るわけではなく、手グセなどでよく使うポジションばかり減っていくので、ライブ中のギターソロでキメのチョーキングヴィブラートがかすれて音にならずに涙したギタリストは少なくないはず。もちろん、フレットのすり合わせや打ち直しなどの対応方法もあるのだが、すり合わせには限度があるし、打ち直しは失敗のリスクとコストが高いので、そう簡単に決断できないのが現実だ。そんな中、フェンダーが純正のリプレイスメントネックの販売を6月20日から開始したという情報が。

今回発売されたのは、フェンダーのUSA製／メキシコ製楽器と同じ工場で制作されている純正ネック。うれしいのは、22フレット仕様や、通常のフレット高の他にジャンボフレットなどもラインアップされているところ。1フレット増えるだけでフレーズの幅も広がるし、ジャンボフレットでフレット高が高くなれば軽いタッチでも音を鳴らしやすくなるのだ。それと、純正ネックに交換するメリットがもうひとつ。ずっとローズ指板を使ってきたけど、もし愛機がメイプル指板だったらどんな音になるんだろうという疑問が解消されるのだ（メイプル→ローズの場合もまた然り）。フェンダーのギターやベースは基本的にデタッチャブル（ネジ止め式）なので、これまでも交換しようと思えばできたことだが、ネックだけを買うという感覚が折れた時以外で誰にもなかったのだから不思議なものだ。

ラインアップはAMERICAN PROFESSIONALシリーズネック、ローステッドメイプルネック、そしてなんとバリトンネックの3種/計20製品。バリトンネックは通常のギターよりスケールが長いバリトンギター用のネックのこと。ストラトキャスターやテレキャスターなど、いわゆるロングスケールのギターは25.5インチだが、バリトンギターではさらに長い27～28インチかそれ以上の長さ。その長さのおかげで通常のギターよりも低音を奏でることができるのだが、このバリトンネックがあれば通常のギターをバリトンギターに変身させることが可能になるのだ。個人的には、これらのラインアップにスキャロップ指板のものも加えてほしい。イングヴェイ仕様やリッチー仕様、ハイポジションだけスキャロップ加工されたものなど、様々なバリエーションに期待したい。