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〈体験ルポ〉旨みが凝縮された熟成肉は、こうして作られる。〜加工工場での熟成から、私たちの口に届くまで〜

工場から向かった先は、新宿三丁目のH&Mが入っているビルの6階にある「エイジング・ビーフ TOKYO新宿三丁目店」。こちらを運営する株式会社新和は、2010年に日本初の熟成肉専門店を上陸させたことで知られる“熟成肉のパイオニア”だ。現在は熟成和牛焼肉の「エイジング・ビーフ」、熟成和牛ステーキの「グリルドエイジング・ビーフ」、米沢牛の熟成肉を扱うハイエンド焼肉レストランの「サロン・ド・エイジング・ビーフ」の3業態を関東を中心としたエリアに13店舗展開している。

そもそも牛肉を熟成させるという概念は欧米が先駆者だが、その理由は霜降り肉の日本の牛と比べて赤身の強い肉質だからに他ならない。それを熟成させることで旨みや適度な柔らかさを引き出しているわけだ。では、なぜエイジング・ビーフではそのまま食べてもおいしいはずの和牛を、わざわざ時間をかけて熟成させているのだろう。しかも和牛の最大の特徴である上質な脂肪は、逆に熟成に向かないのではないかと素人ながらに心配になってしまう。だが、そこは日本の“熟成肉のパイオニア”、この10年を超えるキャリアの中で研究を重ね、赤身と脂肪の熟成バランスがよい、熟成期間の見極めに成功したのだとか。

前置きが長くなったが、ここで試食タイムがスタート。今回は「エイジング・ビーフ」の店舗での試食メニューの中に、特別に「グリルドエイジング・ビーフ」のステーキも用意してもらえることになった。まず最初に運ばれてきたのは「熟成上タンと上タンの⾷べ⽐べ」。同じ上タンでも熟成したものと、そうでないものの食べ比べだ。やはり、熟成上タンのほうが柔らかく、噛むほどに旨みが溢れ出してくる。これが熟成の威力なのか、と思い知らされた感じだ。

続いて「トリュフ⾹る熟成和⽜ユッケ〜温⽟のせ〜」と「焼き雲丹と炙りサーロインの⼿巻きキンパ〜キャビアのせ〜」。生肉のように見える鮮やかな色味のユッケは、60℃でじっくり熱通しされたもの。温玉を潰して絡め、上に乗ったトリュフと一緒に頬張ると、濃厚な風味が口いっぱいに広がる。炙りサーロインに雲丹とキャビアが乗ったキンパは、肉も海鮮も一度に食べたいという欲望を叶える贅沢なメニュー。この2品は2月末までの期間限定の冬メニュー。提供店舗も限定されるので、下の写真の注釈を確認してほしい。

最後は「エイジングおすすめ希少部位5種盛り合わせ」とグリルドエイジング・ビーフの「熟成和⽜ステーキ」。赤身のランプから始まりクリ、カイノミ、インサイド、最後は霜降りのトロカルビまで、熟成肉を知り尽くした専門店が選んだおすすめ部位は、初心者なら必ず食べ比べたほうがいいに決まっているメニュー。まずはこの一皿で、熟成させると部位によってどう変わるのかを体感してほしい。そしてステーキ。グリルドエイジング・ビーフでは、100g以上の肉の塊を提供しているそうだが、しっかり焼かれた表面とミディアムレアに近い焼き具合の中身が口の中でハーモニーを奏でているよう。今回は200gの肉塊ということもあって、「肉を食べている!」という気分がより強く感じられた。

熟成肉は高いというイメージをもつ人は多いと思うが、わりとリーズナブルなエイジング・ビーフの価格設定にも驚いた。下の商品紹介にもあるが、希少部位5種盛り合わせは一人前1390円(税抜)、キンパに至っては雲丹やキャビアまで乗って890円(税抜)だ。まだまだ大勢でテーブルを囲むのが憚られる今、お一人様やカップルでリーズナブルな熟成肉で舌を肥えさせながらコロナ収束を待つのもいいだろう。

今回はこちらのエイジング・ビーフ TOKYO新宿三丁目店で熟成肉をいただくことに。

部位ごとに陳列された熟成肉。

各テーブルに用意された部位の一覧。霜降りなのか、赤身なのか、どこの場所のお肉なのかがひと目でわかる。

厨房の様子は通路から見ることができる。注文が入ったお肉は、ここで切り分けられてテーブルへと運ばれる。

今回いただいたメニュー。手前左から「トリュフ⾹る熟成和⽜ユッケ〜温⽟のせ〜」、「焼き雲丹と炙りサーロインの⼿巻きキンパ〜キャビアのせ〜」、奥左から「エイジングおすすめ希少部位5種盛り合わせ」、「熟成上タンと上タンの⾷べ⽐べ」(※写真は2⼈前)、「熟成和⽜ステーキ」。

熟成上タンと上タンの⾷べ⽐べ(1⼈前 1,090円)
※「熟成和⽜焼⾁エイジング・ビーフ」提供メニュー

トリュフ⾹る熟成和⽜ユッケ〜温⽟のせ〜(1⼈前 1,380円)
※提供店舗 /TOKYO新宿三丁⽬、神楽坂飯⽥橋店

焼き雲丹と炙りサーロインの⼿巻きキンパ〜キャビアのせ〜(890円)
※提供店舗/TOKYO新宿三丁⽬店

エイジングおすすめ希少部位5種盛り合わせ(1,390円)
※注文は2⼈前より
※「熟成和⽜焼⾁エイジング・ビーフ」提供メニュー

熟成和⽜ステーキ(価格は部位とグラム数によって変動)
※「グリルドエイジング・ビーフ」提供メニュー

※ 価格はすべて税抜表記

熟成和牛焼肉 AgingBeef TOKYO新宿三丁目店
住所/東京都新宿区新宿3-5-4 レインボービレッジ6F
営業時間/
[月~金]
ディナー 17:00~23:00(L.O. 22:00)
[土]
ランチ 11:30~16:00
ディナー 16:00~23:00(L.O. 22:00)
[日・祝]
ランチ 11:30~16:00
ディナー 16:00~23:00(L.O. 22:00)
定休日/第2月曜日(祝日の場合、翌火曜日)
※8月、12月は休まず営業
席数/174席
(個室6名席×2部屋(最大14名まで利用可)、テーブル160席、カウンター10席)
熟成和牛焼肉 AgingBeef
https://agingbeef.jp/

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