
備蓄米がふっくら、甘みのある仕上がりに ヨーグルトのホエーを使った炊飯術
米の価格高騰と備蓄米の市場放出が進む今、家庭での米の炊き方が注目されている。というのも、収穫から時間が経った備蓄米や古米は、パサパサしておいしくないという印象が強く、どうにかして「おいしいお米が食べたい、どうやったら古いお米がおいしくなるの?」とみんな模索しているからだ。
今回紹介するのは、そんな炊飯の悩みをもつ人におすすめの、乳和食の開発者である管理栄養士の小山浩子先生が提案するヨーグルトのホエー(乳清)を使った炊飯術。
この方法は、ヨーグルトから出る“ホエー”を炊飯時に水の代わりに加えるだけというもの。たったそれだけで、古くなったお米もふっくらと、甘みのある仕上がりに生まれ変わるのだ。
お米を水だけで炊くより「ヨーグルトホエー(乳清)」で炊くのがおすすめな理由 お米は炭水化物が主成分であり、カルシウムはほとんど含まれておらず、必須アミノ酸の一種である「リジン」も不足している。一方、ヨーグルトにはこのリジンが豊富に含まれており、お米とヨーグルトを掛け合わせることで、おいしさと栄養の両方を満たすことができるという。また、ホエーにはカルシウムやビタミンB群など、成長期にうれしい栄養素も豊富に含まれている。 |
ホエーをしぼった後の水切りヨーグルトは、たんぱく質が豊富な「おかず」としても大活躍。肉や魚の量を減らしても栄養価が保たれ、さらには減塩にもつながるという。
夏休み真っ最中のこの時期、子どもと過ごす毎日の食卓には「ヨーグルト1パックでつくる=栄養満点の“わんぱく飯”」がぴったり。ホエーも水切りヨーグルトも、まるごと“ワンパック”を使い切ることで、無駄なく、おいしく、賢い「3得ワザ」の新しい食習慣を始めてみてはいかがだろう。
【3得ワザ】
健康:甘味・旨味アップ、栄養(カルシウム・ビタミンB群・リジン)補給
節約:肉・魚・調味料を減らせて、食費&塩分カット
時短:調理が簡単、手間も時間もかからず継続ができる

小山浩子先生プロフィール
料理家・管理栄養士であり、フードビジネスコーディネーターとしても活動。大手食品メーカー勤務を経て2003年に独立。NHKをはじめとする健康番組への出演など幅広く活躍し、これまでに7万人以上を指導した実績を持つ。メディアで話題の「乳和食」の開発者でもあり、そのレシピは国内外で高く評価されている。主な受賞歴として、「目からウロコのおいしい減塩 乳和食」で2014年グルマン世界料理本大賞イノベイティブ部門世界第2位、「やさしい、おいしい はじめよう乳和食」で2019年に同大賞チーズ&ミルク部門世界第2位を受賞。健康と作りやすさに配慮したオリジナルレシピを発信し続けている。
まずはヨーグルトから“ホエー”を取り出そう
ホエーを使うと言われても、その取り出し方がわからないという人は多いのでは。もちろん記者もわからなかったのだが、いろいろと調べた結果、簡単にできるであろう方法を編み出したので紹介しよう。

これは100円ショップでも売っている「ステンレス折りたたみ蒸し器」。今回はDAISOでゲット。ちなみに価格は税抜200円。

蒸し器をボウルにセット。

その上にキッチンペーパーを置く。

ここまでの準備ができたら、冷蔵庫からヨーグルトを取り出そう。今回使用したのは、おなじみの『明治ブルガリアヨーグルト』。ディズニーとコラボしているのか、パッケージデザインが可愛らしいので、空っぽになっても捨てずに小物入れとして活用しようかな。

キッチンペーパーの上に、ヨーグルトを広げる(写真は2個分800g)。この時のコツは、スプーンで取り出さないこと。ペーパーの10cmくらい上に逆さにパッケージを構えて短い方の側面を片手で軽く握ると、中のヨーグルトが面白いようにスポッと抜け出る。※中身がグチャグチャだとこの方法は使えないので、冷蔵庫で冷やしてキレイなブロック状にしよう。ペーパーの上にうまくヨーグルトを落としたら、満遍なくホエーを出すために、スプーンで形を崩しながら広げる。

ラップで蓋をして冷蔵庫で8時間水切りしたヨーグルト。一見すると豆腐のようだ。試しにこのままひと口食べてみたが、ギリシャヨーグルトのように凝縮感があって美味だった。

蒸し器ごとヨーグルトを外すと、その下にはたっぷりのホエーが(※2パッケージ分なので量多め)。それでは、次のページからホエーと水切りヨーグルトを使用したレシピを紹介しよう。
▶︎▶︎▶︎(次ページ)小山浩子先生提案「ワンパック」レシピ