〈コラム〉
10月20日、今日はリサイクルの日

資源が「ひとまわり(10)、ふたまわり(20)」するということで、今日10月20日は「リサイクルの日」。

まだ自分が子どもの頃(40〜50年ほど前)から比べると、全国的にゴミは分別して回収されているし、飲み終わった空き缶を道や草むらに投げ捨てるような光景を目の当たりにすることもほとんどなくなった。

分別ゴミは基本的に「燃やせるゴミ」「燃えないゴミ」「資源」の3つに大きく分類されるが、この「リサイクル」という名のゴミ回収が自治体レベルで徹底されていることにも恐れ入る。いつから日本は、こんな環境を真剣に考える国になったのだろうか。公害が社会問題になっていた国と同じ国だとは、とても思えない。

ところが、国ぐるみで国土での資源リサイクルを進めてきたはずなのに、思わぬ伏兵が海からやって来た。そう、昨今、世界中で問題になっている、ご存じ「海洋プラスチックゴミ」だ。

環境省が平成28年に調べた日本における漂着ゴミの実態把握調査によると、一番多かったのが自然物で58.0%。まぁ自然のものだし、これは仕方ない。そして漂流物と聞いて、おそらく真っ先に頭に思い浮かぶ木材は12.8%で第3位。この1位と3位の天然由来のものの合計は70.8%だが、残りの大半を占める23.3%がプラスチック類だ。

当然プラスチックは自然発生するものではなく、人間による人造物。海に漂うプラスチック類の半数強が魚網やブイなどの漁業関連製品という調査結果もあるが、それでも飲料用ボトルが7.3%を占めているという現実を突きつけられると、日本だけの問題ではないとはいえど悲しくなってしまう。

こうした状況を踏まえ、国内飲料メーカー各社ではプラスチックに関する取り組みを加速し、業界全体で取り組んでいるという。その目標は「2030年までにペットボトルの素材をリサイクル素材と植物由来素材に100%切り替え」や「2050年までにリサイクル材やバイオマスなどを利用した持続可能な容器包装100%を目指す」など様々だが、今現在、まさに実行中なのがペットボトルの回収だ。

その回収率は、なんと91.5%。そして回収したペットボトルのリサイクル率は84.6%だとか(PETボトルリサイクル推進協議会 2019年年次報告書参照)。これって、スゴイ数字ですよね。2017年のリサイクル率データでは、アメリカが20.9%、ヨーロッパが41.8%だというから、余計そのスゴさがわかるかも。

このリサイクル率をキープもしくは伸ばすために、我々小市民でもできること。それはとっても簡単なこと。

まずは自販機そばの空容器回収ボックスにはペットボトル・缶・瓶以外のゴミを入れない。例えば家庭ゴミなど飲料系ではないゴミを入れてはいけない。

次にペットボトルに飲み残しや異物を入れない。空っぽでなければリサイクルに回せないのだそう。吸殻はもちろん、過去にはインシュリンの注射針などが混入していたこともあるとか。

このほかにも自治体ごとにルールがあるはずなので、それぞれの市役所や区役所などのHPをあらかじめ確認してほしい。

これらはすべて、自分たちや子どもたちに還ってくること。だって自分が海に投げ捨てたかもしれないプラスチックゴミを飲み込んだ魚を食べるの、嫌でしょ。

飲料メーカーが自販機のそばに用意したリサイクルボックス。「リサイクル目的に空容器だけを集めています」と明記されている。

リサイクルボックスの中にはゴミが入れられていることも。リサイクル作業をする上で、これらはゴミにしかならない。手作業で取り除くことになるので、絶対に入れないこと。