がん細胞と正常細胞をAIで高精度に分類する新たな診断原理を発見

奈良先端科学技術大学院大学、近畿大学、大阪工業大学らの研究グループが、顕微鏡観察だけでは識別が困難ながん細胞を、光散乱スペクトルと機械学習を用いて高精度に分類する新手法を開発しました。
がん診断の新たな手法
細胞診は、採取した細胞を病理医が顕微鏡で観察してがんの有無を判定する検査法ですが、がん細胞と正常細胞の形状が似ている場合は識別が困難なケースがありました。研究グループは、細胞に白色光を照射した際に生じる散乱光に、顕微鏡では捉えきれない内部情報が含まれていることに着目しました。この光散乱スペクトルを機械学習で解析する手法を確立したことで、従来は診断が難しかったがん細胞を高精度に分類することに成功しました。本手法は複数の医療機関で得られた標本でも高い性能を示しており、施設の違いに左右されにくい点も特徴です。
多様ながんへの応用と実用化への展望
本手法は悪性中皮腫の識別で有効性が実証されたほか、肺腺がん、小細胞肺がん、胃腺がん、尿路上皮がんなど多種多様ながん細胞への適用も確認されています。この技術は特許登録済みであり、今後は顕微鏡システムとの統合や自動化を図ることで、現場で利用しやすい細胞診断支援システムの実現を目指します。※本手法は、すべての状況下での識別を保証するものではありません。なお、本研究の成果は2026年8月3日に学術誌Scientific Reportsにて公開されました。
まとめ
光散乱スペクトルと機械学習を組み合わせた新技術により、病理医の診断支援とがん診断の効率化・精度向上への貢献が期待されます。関連リンク
https://www.kindai.ac.jp/meikan/825-itou-akihiko.htmlhttps://www.kindai.ac.jp/meikan/1884-wakasa-tomoko.html
https://www.kindai.ac.jp/medicine/

