肝細胞がん治療で新たな併用療法が有効性を示す

切除不能な非転移性肝細胞がんに対し、肝動脈化学塞栓療法(TACE)とレンバチニブ、デュルバルマブ、トレメリムマブの3剤を併用する治療法が、TACE単独と比較して無増悪生存期間を有意に延長することが国際共同研究グループにより明らかになりました。
切除不能な非転移性肝細胞がんに対する新治療の有効性
近畿大学医学部を中心とする国際共同研究グループは、切除不能な非転移性肝細胞がんの標準治療であるTACEに、レンバチニブおよび2種類の免疫チェックポイント阻害剤であるデュルバルマブとトレメリムマブを併用する手法の効果を検証しました。その結果、TACE単独と比較して無増悪生存期間の有意な延長が認められ、全生存期間についても改善傾向が示されました。この研究成果は2026年8月25日に学術雑誌「The Lancet Oncology」にオンライン掲載されています。
臨床試験の概要
本試験(EMERALD-3)は、21カ国・地域の177施設にて、TACEが適応となる切除不能な非転移性肝細胞がん患者760人を対象に実施されました。患者を「レンバチニブ+デュルバルマブ+トレメリムマブ+TACE群」、「デュルバルマブ+トレメリムマブ+TACE群」、「TACE単独群」の3群に無作為に割り当てて評価を行いました。
調査の結果、無増悪生存期間の中央値はTACE単独群の9.8カ月に対し、レンバチニブ+デュルバルマブ+トレメリムマブ+TACE群では13.0カ月となりました。本併用療法は、切除不能な肝細胞がん患者の標準治療となり、完治の可能性を高める治療法として期待されています。
なお、本試験において治療関連有害事象による死亡は、レンバチニブ+デュルバルマブ+トレメリムマブ+TACE群で7例(2%)、TACE単独群で3例(1%)でした。また、本試験の探索的検討において、一部の集団では全生存期間の有意な延長も確認されました。
まとめ
切除不能な非転移性肝細胞がんにおいて、TACEにレンバチニブと免疫チェックポイント阻害剤2剤を併用する治療法が、無増悪生存期間の延長と全生存期間の改善傾向という良好な結果を示しました。今後、本手法が標準治療として承認されることで、患者の完治に向けた根治的治療への橋渡しとなることが期待されます。

