• HOME
  • 特集 , 記事
  • 健康を考えるなら施工すべき 特許取得のカーエアコンクリーニング

健康を考えるなら施工すべき 特許取得のカーエアコンクリーニング

クルマに乗り込んでエンジンをかけると、エアコンの吹き出し口からモワッとしたイヤな臭いが。誰しもが経験しているであろう、この臭いの正体は「カビ」。これを取り除くべくエアコンフィルターを交換したり、クルマ専用消臭剤を吹き出し口に装着したりと、みんな様々な方法で対処しようとしているが、実はこれらの方法はまったく効果がないそうだ。なぜなら、臭いの原因となるカビや汚れはエアコンフィルターの奥にある“エバポレーター”に付着しているから。エバポレーターとは蒸発による気化熱を利用した冷却装置で、カーエアコンだけでなく、室内用のエアコンにも使われているもの。だが、やっかいなことにこれを洗浄するには装置全体を分解・取り外ししなければならず、けっこうなコストがかかってしまう。そのため、エバポレーター洗浄は一般的にならず、臭いの元凶を残したまま消臭剤など上辺だけの対処で臭いをごまかしてきたわけだ。

写真は家庭用エアコンの熱交換器。
たまったホコリを見ると、カビもたくさん繁殖している気がして気持ち悪くなってしまう。


そんな中、クルマからエバポレーターを取り外すことなく、安価に洗浄してくれるサービスが登場した。「空気の洗車屋さん」(東京・世田谷)は、早くからエバポレーター洗浄に着目し、独自の洗浄技術で特許を取得したカーエアコン洗浄サービス店。そこでその実力を確かめるべく、いつものごとく記者の愛車を持ち込んで施工してもらうことに。

一般的にクルマのエバポレーターは、助手席側ダッシュボードの奥にあるため、まずは助手席部分をビニールで養生。次に特許をとった装置をダッシュボード下からエバポレーターへと到達させ、作業開始。

ダッシュボード下からエバポレーターへアクセスするため、まずは助手席側をビニールで養生。

特殊な薬剤をエバポレーターへと送り込んで洗浄する。

洗浄中のエバポレーターの様子は、装置に取り付けられたカメラから作業者のスマホへリアルタイムで送られる。

同時にボンネット内にある空気の吸入口側からダクトをクリーニング。エアコンフィルターを外し、気化させた薬剤を送り込んでいく。ちなみに同社では基本的にエアコンフィルターの交換は行わない。なぜなら、臭いの元凶はあくまでもエバポレーターのカビで、こちらをキレイにするのが最優先だから。フィルターはそれぞれの車種にあったものの中から一番安価なものを、オーナーが各自用意して交換してくれればOKだそう。ただし、エアコンをクリーンに保つため、半年に一回は新品に交換してほしいとのこと(施工時にエアコンフィルターを持参して交換してもらうことは可能。工賃は無料なので、あらかじめ用意しておくことをオススメしたい)。

ホコリや汚れだけなく、枯葉まで巻き込んでしまっていたエアコンフィルター
(ここまで汚れているのは珍しいらしい)。
通常のお店なら、これを新品に交換するだけでエアコンクリーニングは終了だが、「空気の洗車屋さん」はこの先にあるエバポレーターを洗浄してくれる。

フィルターを外し、ダクト内へと気化した薬剤を送り込む。

車内も同じ薬剤を吹き付けクリーニング。見えないカビや汚れを分解・除菌する効果があるという。



そうこうしている内に、エバポレーターの洗浄が完了。記者の前に3つのバケツが運ばれてきた。見ると、それぞれの中に違う色の液体が入っている。これは、

①最初に流し込んだ薬剤がエバポレーター内を通過して出てきたもの
②エバポレーターに付着した薬液を水で高圧洗浄したもの
③最後に水ですすいだもの

こうしてみると、いかにエバポレーター内が汚れていたかがよくわかる。

左から①薬液、②高圧洗浄後の排水、③最後にすすいだ水。

真上から見た①。カビや汚れが滲み出て、色が真っ茶色になっている。

真上から見た②。へばりついていた汚れが高圧洗浄で流され、排水の中にたくさん浮いている。

洗浄後のエバポレーターの映像。金属の形状がくっきりと見えているのがキレイさの証。


作業を眺めている間、ふと思い出したのが記者の以前の愛車・SAAB 9-3 カブリオレ(2000年型)。2015年に入手し、独特な見た目と加速性能が気に入っていたのだが、家族からは不評だった。その原因は臭い。それもただ臭いだけではなく、家内は「このクルマに乗ると具合が悪くなるから、もう乗らない」と言い出す始末。ちょうど某カー用品量販店でエアコンフィルターフェアを開催していたので交換を依頼すると、作業場から「うわぁ〜!」という叫び声が。どうやら15年間、一度もフィルター交換されていなかったらしく、ベテランの作業員さんでも驚くほど汚れていたのだ(このフィルターは後日、同店で15年モノとして展示された)。そんなこともあって翌年の車検を機に手放してしまったが、フィルター交換だけでなく、こちらのお店でエバポレーター洗浄してもらえば今でも乗り続けていたかも。

とはいえ、今の愛車ジャガーもSAABと1年違いの2001年型。以前のオーナーがヘビースモーカーだったかどうかで大きな違いがあるかもしれないが、それでもフィルターを見る限り、これまでメンテナンスされていたかどうかは疑わしい。はてさて、施工後の状態は? とエンジンをかけてエアコンの吹き出し口の前に顔を差し出してみる。すると、なんの臭いもない冷気が顔が痛くなるくらいの勢いで出てくるではないか。実は施工した日は酷暑の8月1日。世田谷のお店に向かうまでエアコンを17度に設定して最大出力で回していたにも関わらず、吹き出し口から出てきていたのは熱風と言っても差し支えないほどの温風だった。「古いクルマだし、車外温度も40℃と表示されているし、仕方ないよね」と温度に関しては完全に諦めモードに入っていたのだが、今顔に当たっているのは紛れもない冷風だ。

空気の洗車屋さんを運営するクリーンデバイス・テクノロジー株式会社の代表取締役・大野里枝さんによると、「エバポレーターは蒸発による気化熱を利用した冷却装置。クリーニングすることで臭いだけでなく、効きにくかったエアコンの冷却機能が戻ったと考えられる」そうだ。しかし、【臭いがしなくなった】、【冷却機能が戻った】という2点のメリット以上に重要なのが、【カビによる健康被害が断絶できる】ということ。「もちろん新車時はキレイなエバポレーターが積まれているので臭わないが、その後2年も経つとカビが発生する」と大野さんは言う。つまり、市場に出回る中古車のほとんどがエバポレーターに問題を抱えているということになる。走行距離やボディの傷などを注意して中古車を購入することはあっても、エバポレーターの状態まで気にする人は皆無の現状、健康被害を引き起こす可能性のある中古車が当たり前のように流通しているのは恐ろしいことだ。大事な家族の健康を考えるなら、迷わずエバポレーター洗浄することを強くオススメしたい。

[

「空気の洗車屋さん」を運営するクリーンデバイス・テクノロジー株式会社の代表取締役・大野里枝さんは、東京工芸大学の講師も務める才女。

空気の洗車屋さん
住所/東京都世田谷区三宿2-36-8ウィンド三宿1階
電話/0120-90-5656
https://cleandevice.ne.jp/