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「色」が世界を変える。日本ペイントが放つ新ブランド「COLORMONY」が提示する、色彩の新たな地平。

普段、我々が何気なく接している「色」。空の青、海の碧、季節を告げる花々や木々の緑。それら自然の営みはもちろん、身に纏う服や住まう家、手にする持ち物からもしも「色」が失われたとしたら、世界はどう映るだろうか。

カラー写真が当たり前の時代に育った我々が、古いモノクロ写真を眺めて「これは本当は何色だったのか」と正解のない問いを抱くように、今この瞬間、身の回りから色が消え去れば、誰もが深い戸惑いに包まれるに違いない。それほどまでに、人間にとって色は根源的で重要な存在だ。

色の力は、単なる情緒に留まらない。先般の中東情勢の影響で、ある食品メーカーがパッケージを白黒に変更した際、商品の購入意向が変更前の71.5%から44.8%へと激減したという調査結果がある。つまり、色は単なる装飾ではなく、経済をも動かす実利的な要素なのだ。

そんな色の可能性を根底から問い直すべく、国内トップクラスの総合塗料メーカー・日本ペイント株式会社が動いた。2026年8月26日(水)、同社は東京・原宿の「WITH HARAJUKU HALL」にて、建築・デザインにおける色の価値を体感するイベント「LIFE IS COLOR」を開催し、新たな色彩ブランド「COLORMONY(カラモニー)」を発表した。

1,300色で紡ぐ「色のハーモニー」。空間価値を再定義するCOLORMONYの志

「COLOR IS LIFE ―― いつもを色でかえていく」。ステージに登壇した日本ペイント株式会社 代表取締役社長・榎本朋夫氏が掲げたのは、ブランドに込めた力強いメッセージ。1881年の創業以来、社会インフラの保護と美観を追求してきた同社が、1997年に誕生した「カラモニー」を現代のシーンに合わせて再定義。

「色を選ぶ体験そのものを変えていく」。そう語る榎本氏の背後には、五線譜をモチーフにした新しいロゴマークが。これは、色の重なりを音楽の調和(ハーモニー)になぞらえたデザインだ。

用意されたのは、これまでの設定になかった色を含む1,300色超の圧倒的なラインナップ。単なる塗料の提供に留まらず、設計者やデザイナー、そして施主までもが色彩を身近に感じ、暮らしを豊かにする「素材」として認識できる環境を整えていく。色彩を通じて、人の気持ちや行動をポジティブに変えていくこと。それが、新生「COLORMONY」の目指す地平である。

2分間の魔法。テクノロジーが生み出す「生」の色彩

続いて、マーケティング本部 副本部長の大平浩義氏により、塗料が生まれる「裏側」が公開された。ホワイエに設置されたのは、最新の自動調色システム「CAN SYSTEM」のスマートモジュラー。

来場者が選んだ「ターコイズ」のデータが入力されると、マシン内部で複数の原色が正確に抽出される。仕上げは「ファーストミックス」による2分間のジャイロ回転。激しいミキシングを経て、真っ白だったベース塗料が、鮮やかな、そして深みのあるターコイズへと変貌を遂げる。

その「生まれたての色」を使い、3名の技術者がライブペインティングを披露。ターコイズ、カシミア、ブループラネット。ローラーが壁面を走るたび、無機質な空間に温度が宿る。塗膜が乾燥し、光を反射して発色するその質感。デジタル画面では決して再現できない、塗料ならではの「実体のある色」が会場を圧倒した。


色を選ぶな、条件を設計せよ。クリエイターたちが語る色彩の深淵

ハイライトは、建築家・中山英之氏、藤原徹平氏、そしてデザイナー・田部井美奈氏によるトークセッション。モデレーターの山田泰巨氏を交え、「色彩にまつわる設計手法」をテーマに熱い議論が交わされた。

「色そのものを選ぶのではなく、色が生まれる条件を設計する」。中山氏はポーラ美術館での事例を挙げ、光の照度や反射、周囲の素材との相関関係から色がどう「現れるか」を解析する重要性を説く。

田部井氏は、写真の手法を用いたグラフィック制作を通じ、コントロールできない「光と影」がもたらす偶然の色彩の豊かさを提示。

藤原氏は、神戸の公共図書館の事例から、地域の歴史や景観、さらには30年後のメンテナンス性までを考慮した「時間の重なり」としての色彩設計を語る。

三者三様の視点が交差する中で共通していたのは、色は独立して存在するのではなく、光や環境、そして人の営みと密接に結びついているという事実。COLORMONYが提供する多様な色彩は、クリエイターにとって「表現の道具」であると同時に、新しい価値を創造するための「問い」でもあるのだ。

建築家 中山英之(なかやま・ひでゆき)
伊東豊雄建築設計事務所を経て2007年設立。東京藝術大学教授。主な作品に『家と道』『mitosaya薬草園蒸留所』など。

アートディレクター・グラフィックデザイナー 田部井美奈(たべい・みな)
2014年独立。広告、書籍、パッケージ等で活動。2026年に亀倉雄策賞、JAGDA賞を受賞。

建築家 藤原徹平(ふじわら・てっぺい)
隈研吾建築都市設計事務所を経て、フジワラテッペイアーキテクツラボ主宰。横浜国立大学准教授。主な作品に『代々木テラス』など。

145年の歴史を背負い、色彩で日本を明るく。

イベントの幕を閉じたのは、日本ペイント株式会社 取締役副社長・三邉次郎氏の挨拶。話は145年前、明治の創業期まで遡る。創業者・茂木重次郎が、まだ日本に「ペンキ」という言葉すらなかった時代に、油と顔料を混ぜ合わせ「諸色(しょしょく/もろもろの色という意)」を創り出したエピソード。

「色彩で日本を明るくする」。その創業者の情熱は、145年の時を超え、今まさに「COLORMONY」という新しい旗印へと受け継がれた。建築、空間、景観、そしてグラフィック。それぞれの領域で色と向き合う人々が、このブランドと共にどのような未来を塗り替えていくのか。

「LIFE IS COLOR」――。 会場を後にする来場者たちの目には、原宿の街並みが、来る前よりも少しだけ鮮やかに映っていたはずだ。

「LIFE IS COLOR」
開催日時/2026年8月26日(水) 15:00〜18:30
会場/WITH HARAJUKU HALL
登壇者/
榎本朋夫(日本ペイント代表取締役社長)
三邉次郎(同取締役副社長)
大平浩義(同マーケティング本部副本部長)
ゲスト/
中山英之(建築家)
田部井美奈(アートディレクター・デザイナー)
藤原徹平(建築家)
山田泰巨(編集・ライター/モデレーター)