
過去最大136店舗が参加。「三陸・常磐うみうまフェア」第6弾開催へ。試食会で明かされた“冷凍技術”と“シェフの技”の融合
東日本大震災から15年が経過しようとする今も、三陸・常磐地域の水産加工業における販路回復や人手不足といった課題は続いている。そうした中、復興水産加工業販路回復促進センターは、三陸・常磐の海の幸“UMIUMAグルメ”を使用した絶品料理を堪能できる「三陸・常磐うみうまフェア」を開催する。
期間は2026年2月1日(日)から2月28日(土)まで。6回目の実施となる今回は、関東・愛知・関西・広島・福岡の全国5つのエリアを中心に、過去最大規模となる全136店舗の飲食店とコラボレーションし、約300種ものオリジナルメニューが登場する予定だ。
開催に先立ち、1月13日(火)には都内でメディア向け試食会が行われた。生産者と料理人が登壇し、食材の魅力やメニュー開発の裏側が語られた当日の模様とともに、本フェアの全容を紹介する。
| 「うみうま」とは? 「UMIUMA(うみうま)」とは、2011年の東日本大震災で被災した三陸・常磐地域の水産加工業者の販路回復を支援する東北応援ブランドである。復興水産加工業販路回復促進センターが主体となり、作り手のこだわりや想い、そして三陸・常磐の水産物の魅力を広く伝えている。 同ブランドでは、俳優の戸塚純貴さんを「うみうまキャプテン」として起用したプロモーション活動や、全国の飲食店と連携したフェアの実施、さらには水産加工品を産地直送するECサイト「UMIUMART」の運営など、多角的なアプローチで“うみ”の“うまい”ものを消費者に届けている。 |
過去最大規模で展開される「三陸・常磐うみうまフェア」
「三陸・常磐うみうまフェア」は、全国各地の人気飲食店とタイアップし、三陸・常磐の水産加工品を各店のシェフがアレンジして提供するグルメイベントだ。今回は参加店舗数が昨年の規模を上回る136店舗となり、和洋中からエスニック、スイーツに至るまで多種多様なメニューが展開される。各エリアの代表的なメニューは以下の通りだ。
【関東エリア】

GOOD MORNING CAFE 中野セントラルパーク(東京)
メニュー/穴子のラケとミラノ風リゾット(2,480円)
使用食材/開き穴子

Cielo y Rio HIGASHI(東京)
メニュー/福島県産柳ダコのスパゲッティアラビアータ(2,200円)
使用食材/ボイル柳ダコ

あばら大根 西葛西店(東京)
メニュー/三陸の恵み 海グラタン(1,078円)
使用食材/三陸産肉厚わかめ、冷凍1粒むき身牡蠣(IQF)M、冷凍真タラフィーレ

GINZA ONO Gratia -Smoke Dining-(東京)
メニュー/キンキの煮付け(3,480円 ※ランチチョイスの場合)
使用食材/冷凍メンメラウンド IQF
【愛知エリア】

炭焼うな富士 名駅店/忍び口 ほか
メニュー/東北復興御膳(小うなぎ膳 5,750円〜)
使用食材/牡蠣味噌、味付けホヤしそ入り、やなぎ蛸カットなど

パンのトラ 安城本店
メニュー/スケトウダラちくわパン(420円)
使用食材/焼ちくわA(無包装)
【関西エリア】

IN THE GREEN(京都)
メニュー/宮城県産トロカツオのカルパッチョ(1,400円)
使用食材/陸凍トロカツオ 特大(骨皮血合取)

Hamac de Paradis(大阪)
メニュー/宮城県産 ワカメジェラート(680円)
使用食材/三陸産 肉厚わかめ
【広島エリア】

徳川 総本店 ほか
メニュー/こだわり竹輪とあおさのお好み焼(1,050円)
使用食材/こだわり焼ちくわ、愛知県産冷凍あおさ
【福岡エリア】

monaural
メニュー/青森むつ湾のホタテと石巻スルメイカのシーフードカレー(1,280円)
使用食材/ボイルベビーホタテLサイズ、スルメイカ
| 「三陸・常磐うみうまフェア」開催概要 |
|---|
| 期間/2026年2月1日(日)~2月28日(土) 参加店舗数/全136店舗(関東40、愛知28、関西21、広島23、福岡24) 公式サイト:https://umiuma.jp/lp/fair2026/ |
【試食会レポート】“産地ツアー”が生んだ信頼とメニュー
1月13日(火)、東京・虎ノ門の「Social Kitchen TORANOMON」にて開催された試食会では、冒頭に主催団体を代表して全国水産加工業協同組合連合会 業務部 課長の弥永健次朗氏が登壇。

復興水産加工業販路回復促進センター 代表機関 全国水産加工業協同組合連合会 業務部 課長の弥永健次朗氏
弥永氏は「震災から約15年が経過し、工場の復旧などは進んでいるものの、失われた販路や人手不足といった課題は依然として残っている」と現状を説明。その上で、「今回のフェアに先立ち、昨年10月にレストラン関係者を現地に招く『産地ツアー』を実施した。実際に工場や市場を見てもらうことで、今まで知らなかった食材の発見や、生産者との意見交換が生まれ、今回のメニュー開発に繋がった」と、フェア開催までの経緯と手応えを語った。
続いて、関東エリアの参加店舗から3組のシェフと生産者が登壇。実演調理とともにコラボメニューのプレゼンテーションが行われた。

脂の乗った高級魚を薪火で|GINZA ONO × 大興水産
「GINZA ONO Gratia -Smoke Dining-」(株式会社ディー・ディー・カンパニー)が提供するのは、宮城県石巻市の大興水産株式会社のキンキを使用した「キンキの煮付け」だ。

キンキの煮付け
株式会社ディー・ディー・カンパニーの平 愛子氏は「現地ツアーで想像以上の衛生管理と情熱に触れ、水産加工へのイメージが180度変わった」と語る。使用されるキンキは、肝まで綺麗に残った状態で急速冷凍(IQF)されており、解凍しても獲れたての鮮度が保たれているという。
大興水産株式会社の佐藤博之氏は、「三陸・常磐は森のミネラルが海へ流れ込む“宝箱”のようなエリア。脂乗りが良く上品な甘みが特徴のキンキを、ぜひ味わってほしい」とアピールした。
前田紘幸シェフによるデモンストレーションでは、薪火で表面を炙って旨味を閉じ込めた後、九州の甘口醤油で煮付ける工程が披露された。
常磐もののアナゴを洋風に|GOOD MORNING CAFE中野セントラルパーク × 中澤水産
「GOOD MORNING CAFE中野セントラルパーク」(株式会社バルニバービ)の黒田シェフが考案したのは、福島県相馬市・中澤水産有限会社の開きアナゴを使った「穴子のラケとミラノ風リゾット」。

穴子のラケとミラノ風リゾット
「正直、冷凍食品にはあまり良い印象を持っていなかったが、現地の徹底された管理を見て考えが大きく変わった」と話すのは、株式会社バルニバービの臼井里佳氏。
生産者の中澤水産有限会社 中澤久仁彦氏によると、相馬のアナゴは豊富なプランクトンを食べて育つため、小ぶりなサイズ(約200g)でも脂の乗りが抜群だという。生きたままのアナゴを開いてすぐに冷凍する鮮度へのこだわりが、ふっくらとした食感を生み出している。
黒田俊輔シェフによる実演では、蒸し上げたアナゴを香ばしくソテーし、サフラン香るリゾットと共に提供。バルサミコソースとブラッドオレンジの皮がアクセントの一皿となった。
三陸の恵みを凝縮|あばら大根 × マルゲン水産
「あばら大根 西葛西店」(株式会社そら)からは、青森県八戸市の有限会社マルゲン水産の冷凍真タラフィーレを使用した「三陸の恵み 海グラタン」が登場。

三陸の恵み 海グラタン
株式会社そらの高宮みなみ氏は「産地ツアーで生産者のこだわりを直接聞き、その想いを伝えるためにメニューを考案した」と語る。
有限会社マルゲン水産の内山 澪氏は「目利きのプロが競り落とした新鮮なタラを、その日のうちに加工・凍結している。高タンパク・低脂肪でどんな料理にも合う」と自信を覗かせた。
乾 聡シェフによる実演では、タラ・ワカメ・牡蠣という三陸の食材を組み合わせ、クリームチーズや西京味噌、さらに隠し味にガリなどを加えたソースで焼き上げる工程を披露。仕上げに客前でチーズを削り、バーナーで炙るパフォーマンスは、居酒屋ならではのライブ感を演出していた。
生産者の想いを一皿にのせて
試食会では、どのシェフからも「現地の加工技術の高さ」「冷凍とは思えない鮮度」への驚きと称賛の声が上がったのが印象的だった。震災からの復興を目指し、磨き上げられてきた三陸・常磐の水産加工技術。それがプロの料理人の技と出会うことで、新たな美食体験が生み出されている。
「三陸・常磐うみうまフェア」は、単に美味しい料理を楽しむだけでなく、東北の海の豊かさと、それを守り届ける人々の情熱に触れる機会でもある。2月1日からの開催期間中、ぜひ近くの参加店舗でその味を確かめてみてはいかがだろうか。

