日本医科大学 × ピクシーダストテクノロジーズ × Dクリニック 頭髪治療「非接触振動圧刺激装置」を共同開発

写真左から日本医科大学 准教授の高田弘弥氏、ピクシーダストテクノロジーズ CEOの落合陽一氏、Dクリニック CROの小山太郎氏。

頭髪治療専門のDクリニックが、日本医科大学とピクシーダストテクノロジーズとの共同研究を通じて、集束超音波照射による非接触振動圧刺激にはミノキシジルの発毛効果を早めること、さらに長期的に治療を行うことで発毛効果を高める可能性があることを立証。東京・千代田区のDクリニックで11月16日に開催された「新発毛治療技術」合同記者発表会には、Dクリニック CROの小山太郎氏、ピクシーダストテクノロジーズ CEOの落合陽一氏、日本医科大学 准教授の高田弘弥氏が登壇した。

世界中の毛髪研究者によって、日々模索されている発毛治療。その内容は、投薬治療や植毛手術以外に多能性幹細胞を使った毛髪を再生する治療法やLEDおよび低出力レーザー照射など様々だが、Dクリニックは発毛効果を有する「ミノキシジル」の処方で知られている。このミノキシジルなる発毛成分の名称、おそらくかなりの水準でお茶の間に浸透しているのでは。というのも、草彅剛と香取慎吾が出演するアンファーの発毛剤「スカルプD メディカルミノキ5」のCMでその名が出てくるからだ。

だが投薬治療には治療開始から効果を実感できるまでに4~6ヶ月程度の期間を要すること、AGA(男性型脱毛症)の進行が後期ステージまで進行してしまった場合には治療効果に限界があるという課題も。そこでそれをクリアする療法を生み出すべく、メカノバイオロジー領域の研究を先進的に行っている日本医科大学形成外科教室と2012年から共同研究をスタート。さらに同教室所属の高田弘弥准教授と共同研究プロジェクトを同時期に進めていたピクシーダストテクノロジーズが合流し、3者共同の毛髪研究が始まった。

頭皮に適度な力学的刺激を与え、休止期から成長期への移行に関わるシグナル因子の発現を誘導するメカノバイオロジーを研究していたDクリニックと日本医科大学。超音波デバイスを用いて非接触で振動圧刺激を与えることによる創傷治癒促進を研究していた日本医科大学とピクシーダストテクノロジーズ。この3者によって生み出されたのが、今回の発表会の最後にお披露目された「非接触振動圧刺激装置」だ。

非接触振動圧刺激装置

非接触振動圧刺激装置は、非接触で頭皮に振動圧刺激を与える技術によって低周波振動圧を特定の部位に照射することで発毛を促進する機器。その仕組みは
①搭載された多数の超音波発生スピーカーを適切に動作させることによって超音波を重ね合わせて超音波の焦点を作り出す。
②超音波焦点は頭皮に反射される際、頭皮に圧刺激を与える。
③低周波の変動をこの圧刺激に加えることにより、直接触れることなく頭皮に低周波振動圧を与える。
というもの。

「ミノキシジルのみ」と「ミノキシジル+振動圧刺激」を被験者に治験した際の毛密度の変化。ミノキシジル+振動圧刺激」のほうが毛密度が増えているのが立証された。

ヘッドの黒い部分から超音波を照射する。

水槽に張った水に超音波を照射したところ。水面が大きく波立っているのがわかる。

記者も非接触振動圧刺激装置を体験させてもらった。赤く光っている箇所が超音波の焦点。イメージとしてはブラシで頭を軽く叩いて頭皮に刺激を与えるのに似ている。ただし、頭皮に物理的な接触はないので感染面から考えても安心・安全だ。

Dクリニック東京および新宿では、同クリニックでアドバンスト発毛治療(抜け毛の抑制+発毛)を受けている患者を対象に11月16日(火)から「非接触振動圧刺激装置」を含むプランの展開を開始。従来の薬剤での治療に、振動圧刺激での治療を加えることで相乗効果を促し、より短期間でより多くの髪の毛を生やすという。3カ月間に週1回20分の治療に追加されるこの振動圧治療、なんと利用料金は無料(※)。本気で薄毛治療に取り組もうと考えている人は、一度相談してみては。

※11月16日以前からの通院患者は5,500円/回の費用が発生。

Dクリニック
https://www.d-clinicgroup.jp/clinic/

日本医科大学 形成外科教室
https://www.nms-prs.com/

ピクシーダストテクノロジーズ株式会
https://pixiedusttech.com/