島根県西部を訪ねて<2> 温泉と山海の幸、伝統芸能に触れる〜石見神楽〜

柿本人麻呂が石見国で暮らしていたとされ、ゆかりのあるスポットが点在する現在の島根県西部地域。石見地方の伝統芸能・石見神楽は各地で公演が催されており、石見神楽を支える地域独特の産業も発展してきた。

石見神楽の発展を語る時に忘れてはならないのが、老舗衣装店「細川神楽衣裳店」。初代店主の故・細川勝三さんは、石見神楽を後世に残すため石見神楽校訂台本を作成したり、煙火を考案するなど様々な革命を起こした。不慮の事故で急逝された後は、故・細川史子夫人が現在の豪華絢爛な衣裳を石見神楽にはなくてはならない産業として支え、現在は娘である栩木千秋子さんがその看板を守っている。

 

衣裳が出来上がるのは、衣裳制作に関わる人数や衣裳の作りにもよるが、約2〜3カ月ほど。説明をしてくれたのは、金糸の刺繍を施していた職人の小林 龍希さん。年々職人が少なくなっていく状況に、「(石見の伝統を地域に定着させた)この店を残さなくてはいけない」と職人になることを志願したそうだ。

 

細川神楽衣裳店
島根県浜田市大辻町75-2

 

伝統的工芸品に指定されている石州和紙。石見神楽面の製作や文化財の修理にも使われるほか、内装やインテリアなどに建築の素材として和紙が見直されている。また海外のデザイナーとのコラボレーションなども行われており、国内外問わず需要が増えてきているという。明治時代には6,000軒以上あった事業所も、現在ではわずか4軒に。石州和紙会館は展示室で商品を展示しているほか、工房内で石州和紙製造の全工程の作業ができ、紙漉き体験も行っている(要予約)。

 

※動画では、原料の皮剥の作業の様子を収録。

石州和紙会館
https://www.sekishu-washikaikan.com/

 

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