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<動画有>ザ・リッツ・カールトン東京 一夜限りのゲストバーテンディングイベント第7弾は、「SHADOW BAR」オーナーバーテンダーの岡沼弘泰氏が登場

1夜限りのゲストバーテンディングイベント『バーテンダー テイクオーバー 第7弾』が4月20日、ザ・リッツ・カールトン東京 45階のザ・バーで開催された。

今回のゲストは青森県八戸市の「SHADOW BAR」オーナーバーテンダーであり、2019年世界最大級の大会『バカルディ レガシーカクテルコンペティション』日本大会にて優勝し、世界大会ではベスト8に選出された岡沼弘泰氏。

当日は2019年度の大会で披露されたカクテル”EVOLVER”を始め、バカルディを使用したスペシャルカクテル全4種類が提供された。

今回のイベントで提供された4種類のカクテル。

【バーテンダー テイクオーバー 】提供カクテル

Highball Stepper

バカルディ クアトロをベースに、フルーティーな味わいとキャラメルの香ばしさを加えた、ワンランク上のハイボール。

香りと味わいの印象のギャップが面白いカクテル。オレンジの香りが印象的で、柑橘の爽やかな味わいかと思いきや、口に含むとラムの香ばしい香りとコクが広がり、続いてキャラメルの甘い香りが広がっていく。余韻に塩気とオレンジの香りが控えめに出てくる。

また飲む量によっても印象が変化する。大きめのオレンジピールが用いられているが、このオレンジピールの存在感が飲むにつれて大きくなっていく。一口目は、キャラメルの印象が強いが、飲むにつれてオレンジの印象が徐々に加わり、中盤にはクラフトコーラのような印象、終盤にはオランジェットのような印象を受け、飲み飽きない工夫がなされている。

オレンジだけでは単調だが、アプリコットが加わることで、似たニュアンスが重なり奥行きを感じる。塩キャラメルやオランジェットという身近なものを想起させてくれながら、ラムならではの香ばしさとコクがそこに加わることで、グッと全体がリフトアップされる。ゴクゴク飲める、シンプルなのにコクがあり色んな表情を見せてくれる。夏だけではなく、秋口から冬にかけても楽しめそうだ。

材料:バカルディ クアトロ、アプリコット、ソルテッドキャラメル、トニックウォーター、オレンジピール

Second Bite Of The Apple

バカルディ スペリオールにジンのハーバル感を加え、青々と広がる青森の山や森、大地をイメージしたカクテル。

このカクテルにはラムとジンの2種類が使われており、互いの良さが上手く調和している。香りは青りんごの明るくフルーティーな香りを感じ、そこに柑橘の爽やかさが加わってジューシーな印象を受ける。ジューシーさの後に、徐々にシダや森林浴を思わせるような深い緑の香りが出てくる。この辺りはジンやシャルトリューズによるものかも知れない。ほんのりお茶や抹茶のようなニュアンスに、メロンのような印象も受ける。

氷が多く用いられていて飲みやすく、ラムの効果か少しキャンディのような甘く香ばしい印象が加わり、余韻にグレープフルーツ由来の苦味がほんのりと感じられる。甘いだけでなく、酸味も程よく利いておりジューシー感がある。

このカクテルは、ジンベースのみだとボタニカルの印象が強くなりすぎてしまうだろう。ラムとジンを上手く用いることで、ジンの森林感とラムのキャンディっぽさと香ばしさが上手くマッチしている。地域のものを活用したり地域の印象を作品にしたりすることは、地域の資産にもなってく。青森をベースにされている岡沼氏ならではの感覚が楽しめる1杯だ。

材料:バカルディ スペリオール、ボンベイ・サファイア、ベルモット、グリーンアップル、グレープフルーツ、レモン、シャルトリューズ

EVOLVER

「バカルディ レガシー カクテル コンペティション2019」日本大会優勝、世界大会ベスト8に選出されたカクテル。<昨日の自分を超える>をコンセプトに、“エボルバー=進化する人”と名付けられたカクテル。

先の2つのカクテルに比べて、グッと抽象度が高くなった印象を受ける。柑橘のニュアンスやハーブのニュアンス、ビターズの香りと様々な香りがあるが、複雑に絡み合っており、一言では言い表せない。

このカクテルは前に進む原動力とは何かを考えさせてくれる奥深さが魅力ではないかと感じる。成長には挑戦が欠かせないが、挑戦には失敗がつきものである。そうした苦い思いを糧に進む、進化するための活力が表現されているように感じる。

ビターズの香り、迷いや不安を演出するようなアブサン、スモーキーさは苦難や不安を思わせるが、進む活力を生み出してくれるスパイスの香りと柑橘の爽やかさが憂いを払ってくれる。内省というか、自分にとっての刷新とは何かを考えさせてくれる哲学的な1杯だ。

材料:バカルディ スペリオール、マルティーニビター、ベルベットファレナム、レモン、アブサン、オレンジピール

Daiquiri So Serious

8年熟成のバカルディエイトをベースにすることでダイキリをシンプルにアップグレードさせた1杯。

ダイキリというラムの代表的なカクテルをアップデートさせているが、シンプルではなく、工夫もみられる。このカクテルは、特にアガベシロップを用いることで、ラムの表現の幅が広がっていると感じる。

同じシロップで砂糖由来のものを用いるとラムと同じ方向性になるが、アガベシロップを用いることで、ラムにアーシーなニュアンスが加わっている。ラムも8年熟成を用いており、コクとなめらかさが大きく変化している。通常のダイキリよりも濃密な印象を受け、そこにアガベ由来の風味が合わさり、よりサトウキビ感(皮のニュアンス)が出ている点が非常に面白い。また、アーシーさも加わることでどっしりとした重心の低い味わいになっている。

アップグレードの良さは情報量が増えることで、より複雑さと表現力が生まれることにある。そこに、違うベクトルを加えることで、ラムが持つ違った一面を引き出している。加えられたチョコと一緒に楽しむことで、ダイキリでありながら、ダイキリとは違う体験をすることができる。

材料:バカルディ エイト、タンジェリン、アガベシロップ、ライム、チョコレートビター

解説/業界誌『週刊ホテルレストラン』小川大輔氏。

<業界誌『週刊ホテルレストラン』小川大輔氏による総評>
今回はラムを用いたカクテルであったが、ラムは他のスピリッツに比べて高付加価値化の余地が多く残されているスピリッツだ。高付加価値化には、クラフトのように素材や手法にこだわるやり方もあるが、現場での工夫によるユーザーイノベーション的なやり方もある。岡沼氏が魅せてくれたカクテルにはそのヒントが散りばめられているように感じた。

業界誌『週刊ホテルレストラン』の記者であり、お酒の専門家でもある小川大輔氏。

第8回以降のバーテンダーテイクオーバー

日時/2023年5月12日(金曜日) 18:00~22:00
価格/各3,200円(税金、サービス料込)
ゲストバーテンダー/Maybe Sammy(オーストラリア)マーティン・フダック氏

日時/2023年5月14日(日曜日) 19:00~23:00
価格/各3,200円(税金、サービス料込)
ゲストバーテンダー/A Bar with Shapes for a Name(イギリス)レミー・サヴァージュ氏

※夜の演奏時間帯での利用は、エンターテイメントチャージとして2,500円(税込)加算。
※営業時間は予告なく変更となる場合あり。
※ザ・バーでは席の予約は不可。
ザ・リッツ・カールトン東京
東京都港区赤坂9丁目7−1 東京ミッドタウン
TEL.03-3423-8000
https://www.ritzcarlton.com/jp/hotels/japan/tokyo