透析施設向け「塩素ガス検知装置」開発、安全管理体制強化へ

倉敷芸術科学大学の楢村友隆教授と株式会社イチネン製作所が共同で、人工透析施設における安全管理体制の強化を目的とした「透析施設専用塩素ガス検知装置」を開発しました。
概要
この度、倉敷芸術科学大学生命科学部環境生命科学科の楢村友隆教授(腎臓内科学、臨床工学)と株式会社イチネン製作所は、人工透析施設における安全管理体制の強化を目的とした「透析施設専用塩素ガス検知装置」を共同開発しました。本装置は、透析関連装置および透析液配管系統の洗浄・消毒工程において発生する可能性のある塩素ガスを、安価かつリアルタイムに測定できるモニタリングシステムです。
イベント概要:第71回日本透析医学会学術集会・総会での展示
展示期間:2026年6月19日(金)~21日(日)
展示場所:神戸国際展示場 旭化成メディカル株式会社展示ブース
製品名:透析施設専用ガスバスター GB-CL-2
製造元:株式会社イチネン製作所
総販売元:大阪佐々木化学株式会社
透析医療現場における洗浄・消毒の重要性とリスク
国内で約33万人の患者が人工透析治療を受けており、約4,500施設の透析施設では、透析液が流れる配管系統の衛生維持のため日常的に洗浄・消毒が行われています。この工程では、次亜塩素酸ナトリウム溶液などの「塩素系薬剤」と酢酸・過酢酸などの「酸系薬剤」が使用されています。しかし、これらの薬剤の誤混合により塩素ガスが発生する事故が近年相次いでおり、潜在的なリスクが現実のものとなっています。塩素ガスは有毒であり、高濃度では生命を脅かす危険性もあるため、迅速な検知と早期対応が喫緊の課題となっていました。
「見えない危険」を可視化する革新的な検知装置
このような背景から、楢村教授と株式会社イチネン製作所は、微量な塩素ガスをリアルタイムで測定可能な検知装置を開発しました。本装置は、従来の測定方法に比べて導入しやすい低コストでありながら、高い応答性を備えています。透析液製造機械室などの空気環境を常時監視し、微量な塩素ガス発生を即座に検知することで、異常発生時の迅速な対応、避難判断、避難誘導を可能にします。これにより、患者や医療従事者への塩素ガス曝露リスクを最小限に抑え、安全な医療環境の維持に貢献します。この技術は透析施設に限らず、塩素系・酸系薬剤を併用する他の医療機関や研究施設、産業分野への応用も期待されています。
学会展示で初公開
本装置は、2026年6月19日(金)から21日(日)まで神戸市で開催される「第71回日本透析医学会学術集会・総会」で初展示されます。透析医療の安全性向上に向けた新たな取り組みとして、多くの医療関係者からの注目が集まることが予想されます。
まとめ
倉敷芸術科学大学の楢村教授と株式会社イチネン製作所が共同開発した「透析施設専用塩素ガス検知装置」は、透析施設における洗浄・消毒工程での塩素ガス発生リスクに対応し、患者と医療従事者の安全確保に貢献する画期的なシステムです。学会での展示を通じて、その有効性が広く認知されることが期待されています。
関連リンク
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