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ピアノは日常に、ギターは自由へ。カシオが仕掛ける「音楽やり直し」のスペパ革命。

写真上/(左から)カシオ計算機株式会社 藤井令央さん、山﨑杏奈さん

春、「始めたい」気持ちを阻む「住まいの壁」

新生活の春。自己投資や趣味への関心が最も高まる季節。最新の調査によれば、この春「何かを始めたい」と答えた人は約7割にのぼる。なかでも、「大人のやり直し習い事」として圧倒的な人気を誇るのがピアノ。習い直したい楽器ランキングでも、34%もの支持を集めて堂々の1位。

しかし、意欲とは裏腹に、現実は厳しい。意を決してピアノを自宅に迎えようとしたとき、多くの人が「住まいの壁」に直面する。置き場所の確保、狭くなる部屋、近隣への音漏れ、そして引っ越し時の重い負担。特に都心部で急増するコンパクトな住空間において、ピアノは「憧れだが、置けないもの」の代名詞。

そんな諦めかけていた人々の救世主が、カシオの電子ピアノ「Privia(プリヴィア)」。この「スペパ(スペースパフォーマンス)最強」の一台がいかにして現代のライフスタイルを変えたのか。メーカー担当者の山﨑杏奈氏が語ってくれた。

また後半では、ピアノに次いで人気の楽器・ギターの常識を覆すツール「DIMENSION SHIFTER(ディメンション・シフター)」に注目。開発者の藤井令央氏に、従来の演奏スタイルを一変させるデバイスの誕生秘話を聞いた。

「奥行き232mm」が叶える、ピアノのある日常

インタビュー:山﨑杏奈さん(カシオ計算機株式会社 営業本部 楽器統轄部 戦略企画部 事業戦略室 リーダー)

※写真はイメージ

――Priviaが今、これほどまでに支持されている理由、ブランドとしてのこだわりを教えてください。

山﨑氏(以下敬称略):Priviaが掲げるステートメントは“In Harmony with Life”。「ピアノのある日常」を、従来の常識にとらわれない形で提供することが私たちのミッションです。かつてのピアノは黒くて大きく、どうしてもお部屋の主役になってしまうものでした。しかしPriviaは、現代の住空間に自然に調和することを最優先に、デザイン、テクノロジー、そして自由な楽しみ方を追求しています。

――PX-S1100の「232mm」という奥行き。これは画期的な数字ですね。

山﨑:スピーカー内蔵のハンマーアクション付き88鍵盤では世界最小奥行(※2025年6月現在)で、実はA4サイズよりも小さいんです。この奥行の小ささなら、ひとり暮らしの狭いお部屋でも圧迫感なく置いていただけます。ユーザー調査では「ピアノを弾くことが心の整理やリセットに繋がる」という声を多くいただきました。リビングで、窓の外を眺めながら自分だけの時間を過ごす。そんな穏やかな空間を彩るために、カラーリングも穏やかな「カームブルー」や「メロウベージュ」など、デザイナーが市場を調査してこだわり抜いた限定色を昨年新たに追加しました。


PX-S1100BK(ブラック)

PX-S1100WE(ホワイト)

PX-S1100RD(レッド)

PX-S1100CB(カームブルー)

PX-S1100MB(メロウベージュ)

――本格的な演奏体験についても、妥協がないと伺いました。

山﨑:CASIO電子楽器アンバサダーの角野隼斗さんをはじめ、たくさんのピアニストの方々からもその弾き心地と響きを高く評価いただいています。それでいて、実は単三乾電池6本で駆動するんです。これは意外と他社にはない特徴で、入院中のご友人のために、コンセントが塞がった病室でも演奏を楽しめたという心温まるエピソードもありました。Bluetooth対応でスマホの音をスピーカーとして流し、一緒にセッションすることも可能です。また上位機種のPX-S7000では、壁際だけでなく「部屋の真ん中」にも置けるよう、背面まで美しく仕上げています。創業者のひとり、樫尾俊雄の「すべての人に音楽の楽しさを」という想いが、この232mmにも引き継がれているのかもしれません。

Priviaシリーズの最上位機種であるPX-S7000(写真のカラーはハーモニアスマスタード)。

筐体側面と奏者面の光沢感あるマスタードカラーは、塗装と研磨工程を何度も繰り返して作り出されるポリッシュ仕上げ(天面部分はアクリル)。

PX-S7000は400もの音色を搭載。わかる人にはわかる名曲を想起させるような音色も多数用意されている。

鍵盤にはグランドピアノと同様のスプルース材を鍵盤側面に使用。

足元から解き放たれる快感。ギター演奏をストラップで操る。

インタビュー:藤井令央さん(カシオ計算機株式会社 サウンド・新規事業部 第二戦略部 第二企画室 DIMENSION SHIFTER 担当係長)


ここで筆者の話を少し。ギター歴は40年を超え、ギター教室を開くほどこの楽器を愛している筆者には、ここ最近強烈に気になっていたツールがあった。YouTubeの音楽チャンネルで見かけた、カシオの「DIMENSION SHIFTER」。ギターとストラップの間に取り付けた送信機のシャフトを引くことで、足元のエフェクターを操作する。楽器メーカーらしからぬ、それでいて「その手があったか!」という驚き。開発者の藤井令央氏に、その画期的なツールについて話を聞いた。

――YouTubeで見かけた瞬間、衝撃を受けました。なぜ「ストラップを引っ張る」という発想に至ったのでしょうか。

藤井氏(以下敬称略):ギタリストは演奏中、どうしても足元のエフェクターボードに縛られてしまいますよね。ワウをかけたり、ディレイを調整したり。でも、本当はもっと自由に動き回りたいはずなんです。そこで、ストラップに取り付けた送信機のシャフトを引っ張る力加減を無線で飛ばし、受信機がエフェクトをコントロールする仕組みを考えました。引っ張ればピッチが上がったり、スイッチを切り替えるようにガッと引けばディストーションに切り替わったり。足元に縛られず、観客の目の前まで行ってソロを弾くような、全く新しいパフォーマンスが可能になります。

――実際に触ってみると、引っ張り心地(トルク)まで調整できることに驚きました。

藤井:ギターの自重で勝手にシャフトが伸びないよう、中のバネの硬さを調整できるようになっています。レスポールのような重いギターから軽量なタイプまで対応可能です。キャリブレーション機能により、シャフトを引く「有効範囲」も自在に設定できますので、ライブだけでなく、ご自宅での演奏も今までとは全く違う体験になるはずです。

ギターストラップを引っ張ると、装着されたDIMENSION SHIFTERの送信機パーツからシャフトが伸びる。この時の力加減を信号化し、受信機に飛ばす。

送信機からの信号を受けたDIMENSION SHIFTERの受信機(右)が、市販のエフェクター(左)をコントロールする。

――これほどエッジの効いた製品が、カシオから誕生した背景を教えてください。

藤井:実はこれ、当初は私の「ほぼ個人活動」のようなものだったんです。元々エンジニアですが、プロトタイプを作っては至るところに売り込み、NAMM Show(世界最大級の楽器見本市)でもひとりでひたすらプレゼンを続けました。ようやく一般販売までこぎつけた執念の産物です。カシオには「やりたいならやってみろ」と挑戦を後押ししてくれる文化があり、それがこのデバイスを形にしてくれました。

――ギタリストとしての血が騒ぎます。これなら、ステージの主役は間違いなくギタリストですね。

藤井:その熱量こそが、開発者冥利に尽きます。カシオの技術を使えば、もっと面白いことができるはず。今後はエフェクターそのものの開発などにも挑戦していきたいですね。

カシオが描き出す「音楽の民主化」

ピアノとギター。アプローチは違えど、ふたつの製品の根底にあるのは「音楽を日常の、そして自己表現の身近なものにする」というカシオの一貫した哲学。

住環境を理由にピアノを諦めていた人には、奥行き232mmという「解答」を。
足元に縛られていたギタリストには、自由なステージパフォーマンスという「翼」を。

カシオのテクノロジーと、開発者たちの狂おしいほどの情熱が、私たちの「やってみたい」という気持ちを、リズミカルに、そして力強く後押ししてくれる。この春、あなたも「住まいの壁」や「演奏の常識」を飛び越え、新しい音の世界へ足を踏み出してみてはいかがだろうか。

カシオ計算機株式会社
https://www.casio.com/jp/